EYEVAN 7285 | アイヴァン 7285 デザインチームの本音に迫る 後編
blinc スタッフの矢澤直人が、いま一番気になる眼鏡ブランド、EYEVAN7285のデザインチームと対談しました。後編は、日本が世界に誇る眼鏡の産地、福井県鯖江市のものづくりとともに進化するデザインチームと工場の妥協のないものづくりに、もっと迫ります。
ブリンクスタッフ 矢澤直人(以下・矢):前半では、緻密すぎて、ひとめでは気づかれないかもしれないこだわりのディテールについてうかがいました。その緻密さは、「工場泣かせ」だそうですね。
EYEVANデザインチーム(以下・E):そういうときもあると思います。
矢:世界に誇る生産技術を持つ鯖江の職人さんたちをも、うならせるということですよね。今回のコレクションで工場の人たちを一番うならせた注文は、どのフレームのどこなのでしょうか?
写真:モデル[140]
E:EYEVAN 7285では、初めてのリリースとなるリムレスフレームの[140]です。フレックスストラップという智部分の補強パーツをチタンで復元しました。
矢:どんなところが「工場泣かせ」だったのですか?
E:ロウ付けなど、加工が非常に難しかったんです。工場に相当苦労をさせてしまいましたが、なんとか製品化することができました。
矢:そこまでこだわったフレックスストラップとは、どういうものですか?
E:AO社(100年以上の歴史を誇るアメリカの老舗眼鏡メーカー。リムレスフレームの名品を多くリリースしたことでも知られる)が半世紀程前に開発したフレックスストラップです。このフレックスストラップを用いることで、智を高い位置に設置することができます。機能面のみならずデザイン的にも必要不可欠なパーツになります。
矢:どのフレームもディテールにかなりこだわりを持って作り込んでいるので、採算がとれているのか心配になってしまいます。
E:デザインから、製品化までのプロセスとして、見積もりは一番最後に取ります。
矢:すごいですね。かっこいいものを作りたいという本音が伝わってきます。実際採算を度外視で作ってしまうこともありますか?
E:やりたいことをすべて詰め込んで、結果として、どんな価格になるのかという考え方で、EYEVAN 7285のすべての製品は作られています。
矢:正直いうと、デザインソースがマニアックだなーと思うときがあります。個人的にドイツのプロダクトっぽさを感じているのですが……。
E:眼鏡に限らず、今まで見てきた様々なものが、そのままプロダクトに反映されていると思います。
矢:自社の眼鏡以外で、デザインチームのみなさんが、「これが好き!!」「格好いい!!」とリスペクトしているデザイナーやブランド(今昔問わず)はありますか?
E:一言でこれと限定はできないのですが、人工的なものや自然のものなど気になったものは、なるべく時間をかけてディテールをしっかり見て分析するようにしています。
写真上:フレームに溝を掘るダルマリムの技法。そこに色をつけることで新しい見せ方になる
写真下:今回のコレクションで登場した、折り畳み式のサングラス。テンプルがスライドして短くなる構造は革新的
矢:ダルマリム、フラットレンズ、折り畳みなど、これまでさまざまなフレームを発表してきましたが、今後はどんなところを開発されるのでしょうか?
E:デザイン面と共に機能面は、常に向上させていかなくてはいけないと考えています。ただ、機能性を最優先させるという考え方ではなく、最も優先すべきものはデザイン性です。見た目を重視した最たるパーツと言える「一ネジ」を多用するのも、その考え方がベースにあるからです。
矢:これからも楽しみにしております。ありがとうございました。
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Edit:Saiko Ena
POSTED BY blinc AT 6:00 PM
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