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「違和」と「余白」から生まれる温度。I.ENOMOTO新作のご紹介[IE027 / IE029 / IE030]

今季、I.ENOMOTOから届いたのは、見れば見るほどに「違和感」が美しさへと転じていくような眼鏡でした。
奇抜さや装飾ではない、静かな「違和感」が印象を残す…

フレームそのものの形や構造でさりげなく印象を残しており、見る角度や距離によって、ふとした「違和感」「余白」が顔に映るような、そんな繊細なニュアンスが込められています。

IE027 「無言の違和」が顔に映える、構築的ボストン

一見すれば、穏やかで知的な印象のボストンシェイプ。けれどIE027には「静かなひっかかり」を感じます。

フロントのリム内外で微妙に異なるカーブが描かれており、そのわずかな差がリムの幅に濃淡を生み出します。

視線を集めるその違和感は、遠目にはごく自然に。
けれど、会話をするような距離では、さりげなく表情に影を落とします。
このさりげない違和感こそデザインの奥行きを感じさせてくれています。

テンプルはバネ性をもたせた構造で、外に広がる設計により、かけた瞬間から包み込まれるようなフィット感。
フォークやナイフの柄を思わせる「カシメ」のディテールが、美しさと実用性を両立させています。

構造で語り、静けさのなかに主張がにじむ。まさにI.ENOMOTOらしい設計思想が詰まった一本です。

I.ENOMOTO | アイ.エノモト
PRODUCT NAME : IE027
COLOR : BK/WP/BR1/MA
PRICE : ¥69,300-(w/tax)⁠

 

IE029 滑らかなメタルが語りかける、理性で選ぶウェリントン

「主張しない」のではなく、「主張の方法が違う」それがIE029だと思います。
やや小ぶりでプレーンなウェリントンシェイプは、一見控えめ。けれど、その滑らかさに触れたとき、設計の深さを感じさせてくれます。

肉厚なチタンのフロントは、全体をR形状で削り上げ、外周のエッジをすべて排除。
指でなぞると驚くほどやさしい当たりで、素肌との親和性すら感じさせる仕上がりです。

見た目は端正、感触は柔らか。
素材や構造への理詰めのアプローチが、結果として「静かな心地よさ」を生んでいます。



テンプル構造もIE027と共通し、カトラリー由来のディテールが良いアクセントになっています。
まさに感性ではなく、理性で選びたくなる。
そんな一本です。

I.ENOMOTO | アイ.エノモト
PRODUCT NAME : IE029
COLOR : BK/TI/TA
PRICE : ¥69,300-(w/tax)⁠

 

IE030 柔らかさが滲む、ヴィンテージのような余白

最後にご紹介するのは、今季の中でもっとも「余白」を感じさせるIE030。
セルフレームの中に、懐かしさと新しさがバランス良く共存するモデルとなっています。

大ぶりなサイズ感と直線的なブロウライン、ややワイドに配置されたフロントの2点カシメ。ヴィンテージライクな印象の中に、どこか「間」を感じさせる表情があります。

ただし、角張った造形に見えても、しっかりとエッジは丸められ、全体に柔らかさが漂います。ハードな素材感なのにソフトな表情が同居している。これこそこのモデル最大の持ち味。

人柄がにじむように、佇まいが優しくなる。そんな感覚を味わえる一本です。
構造の強さと造形による優しさを共存させたような佇まいは「静かなる力」のあり方を再解釈したようでもあります。

I.ENOMOTO | アイ.エノモト
PRODUCT NAME : IE030
COLOR : 1/2/3
PRICE : ¥58,300-(w/tax)⁠

 

「違和」と「余白」によって感じる温度

I.ENOMOTOの新作3型には、どれも「見た目」だけでは語り尽くせない魅力があります。

どんな距離感で、どう見られるか。
どこに違和があって、どこに余白を残すのか。

その計算と構造に触れるたびに、プロダクトに「あたたかみ」を感じさせてくれます。
無機質を超えて、ふとした瞬間に感じる「温度」を、ぜひ店頭で確かめてみてください。

text : Shin Watanabe

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