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ポーチになる眼鏡ケース「kurumu」発売!ima × kijinokanosei × blinc スペシャルコラボ・後編

ブリンクは、この夏、軽量でコンパクトな眼鏡ケース「kurumu」を発売します。ブリンクの店舗デザインを手がけるインテリアデザインユニット「ima 」、テキスタイルブランド「kijinokanosei」とのコラボレーションにより生まれたポーチ型ケースの制作秘話を座談会で振り返る後編です。
(前編をまだご覧になっていない方は、下記のURLからご覧ください。https://blinc.co.jp/blogs/features/kurumu-ima-kijinokanosei-blinc



古川:imaさんには、2024年春夏コレクションとして、4種類のテキスタイルをデザインしていただきました。そのうちの3つをkurumuに採用しています。
 

小林恭:僕らがデザインするならば、やはり空間にまつわることから発想したいと思いました。モノトーンの「ruler」は、メジャーを図案化したシャープなデザイン。グリーン系の「kawara」は、この部屋の窓から見える朝倉邸の屋根瓦の美しさがインスピレーションになりました。




小林マナ:ブルー系の「stool」は、吉川さんもお好きなアルテック60のスツールがデザインソースです。私たちの仕事では、図面を描く時にアイソメトリックという斜め45度のパースを使いますが、それを連続させたイメージです。


小林恭:プリントではなくテキスタイルですから、織りによりどこまで図面に忠実に表現できるかも、大事なポイントでした。そこは田中さんのご経験と知識に助けていただいて。


田中:そうですね。図案を織りに変換する場合、裏面にどのような模様が出るかを想像しながら、進めていく必要があるんです。

 

小林恭:田中さんは図面をみるなり「裏面もすごく複雑な柄になりそうです」と言ってくださって安心しました。そこからは、柄がより綺麗にでるように職人さんと細かなやり取りを重ねてくださいました。



田中:とてもimaさんらしいデザインだなと思いました。だからこそ、どのような糸で、どのような織りで表現するのがいいかの検討に時間をかけましたね。太めのウール糸でという案もあったのですが、図面どおりのグラフィカルな雰囲気を出すには、細い糸を駆使して織れる桐生のネクタイ工場がよいと思いました。

 

小林恭:織りに関しては初心者なので、田中さんに委ねる部分がとても多かったです。

 

吉川:異業種同士のコラボレーションは、お互いの領域をリスペクトしてこそよいものが生まれますよね。

 

田中:日頃から信頼している工場ですが、特に「ruler」の柄は、細い線を均一に織る高い技術が求められます。職人さんが技術を尽くしてくれました。


荒岡:僕は、生地を拝見した時、どんな眼鏡ケースになるのだろうかとわくわくしました。どうしてこの形にいたったのですか?

小林恭:張りのあるこの生地を生かすには、一枚の布を折り紙のように織ることで形が現れるケースがいいなと思いました。それこそ生地の可能性の追求として、折ると眼鏡ケースに、広げると小物を置くステーションになるポーチ型はどうかなと。とにかく、一枚の生地であることにこだわりたかったんです。



荒岡:風呂敷のように手で追って形になる眼鏡ケースは、珍しいです。日本のファブリックブランドによるプロダクトとして「包む」文化も彷彿とさせますね。それに柄の良さもさることながら、触り心地もいい。何が違うんでしょうか。

 

田中:細い糸をきゅっと織ることでなめらかさが出るんです。使い続けてもぱりっと触り心地がよいままで、洗濯もネットに入れるなどすれば、型崩れしません。

 

小林マナ:革ひもにもこだわりました。経年変化で生地に馴染んでいくと思います。


荒岡:軽くてコンパクトなので、眼鏡を入れない時には、携帯とカードなど最低限のものをいれて持ち運べて、旅先では重宝しそうですね。ソフトケースでもハードケースでもない新しい提案が新鮮です。

長尾(ブリンク):包み込む形状なので、眼鏡やサングラスの大きさが変わったとしても使い続けられるのもいいですね。リバーシブルで使える楽しさも、織物のテキスタイルならではです。
 

荒岡:メガネ屋をやっていて思うのは、お客様が眼鏡を購入したあと、生活がちょっとでも豊かになっているといいなということなんですけど、この生地を見た時、楽しそうな「眼鏡のある生活」というのが頭に浮かんだんです。見た目に楽しいし、使って便利で心地いいというのが想像できて、いいコラボレーションだなと思いました。


吉川:誤解を恐れずにいえば、折って包むって、ちょっと手間がかかる。でもその手間こそ魅力的というか。眼鏡の扱いにいつもより時間をかけることで、生活の中に余裕が生まれる。豊かな瞬間が立ち現れると思うんです。

 

小林恭:眼鏡にとっての小さなテントというか、日常生活でも、旅先でも、ものの居場所として重宝してもらえたらいいですね。僕は、旅先のホテルで携帯や財布をいろいろな場所にバラバラに置いてしまって、チェックアウトの時に慌てて探したり、忘れてきてしまうことがあります。このケースをステーションにすると部屋での過ごし方もちょっと変わりそうです。ホテルから食事に行く時に、これだけ持って出かけるという使い方もいいですね。

 

吉川:僕は、眼鏡にはオブジェのような要素もあると感じていて、部屋にディスプレイすることもあるんです。模様替えのようにこの布を加えたら、また違う印象の空間になるなあと思います。シンプルな一枚の布だけどアイデア次第でいろいろに使えますね。

小林マナ:眼鏡とバナナだけ入れて、朝の散歩に出るとかね。



吉川:そのバナナを出す仕草、めちゃめちゃおしゃれですね。


小林:そうでしょ。自由な使い方で楽しんでいただけたら嬉しいです。


PRODUCT NAME : kurumu
PRICE : ¥13,200-(w/tax)⁠
※2024年7月6日(金) 店舗オンラインストアで同時に販売スタート。



COLOR : scale /rule



COLOR : pattern / kawara




COLOR : isometric / stool


 

設計事務所ima
小林恭と小林マナのデザインユニット。1998年の活動開始以来、数多くの商業空間のインテリアデザインや建築設計を手がける。


kijinokanosei
日本国内の生地の産地にフォーカスしながら、新しい生地を作る過程での可能性、そこから広がるものづくりの可能性を追求するテキスタイルブランド。


ブリンク外苑前
住所 東京 港区南青山2-27-20 植村ビル 1F
TEL 03-5775-7525
営業時  12:00~20:00
定休日 月曜日 祝日の場合は振替で火曜日休業
URL http://blinc.co.jp/blinc/

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住所 東京 港区北青山3-5-16
TEL 03-3401-2835
営業時  12:00~20:00
定休日 月曜日 祝日の場合は振替で火曜日休業
URL http://blinc.co.jp/blincvase/



Text: Saiko Ena Photos: Tatsuya Sakaguchi