リサイクル100%、捨てても土に還る「木製プラスチック」のような眼鏡
眼鏡に使われるアセテートってどんな素材?
最近、環境問題の観点から、眼鏡でも環境負荷の少ない製品があります。
「あんな小さな眼鏡が土に還ったからって、どうなの?」と思う方もいらっしゃると思います。しかし、眼鏡も捨ててしまえば不燃物になり、塵も積もれば山となります。
そもそも眼鏡の素材、プラスチックはどんなものかと言いますと、アセテートというプラスチックで、原材料が高純度なパルプや綿花で、樹脂系の樹脂から出来ています。アセテートは、色合いも美しいし、色のバリエーションも豊富なのですが、眼鏡以外ではあまり使われることはありません。何かを作る時にも、他の素材のほうがコスト的に安いです。その上加工も難しいのです。
丸太を切り落とした廃材を、アセテートに混ぜている
そのアセテートですが、「土に還る」という素材を使い、独自の製法で作った「人や地球やに優しい眼鏡」、フランスのbois2|ボアカレをご紹介させていただきます。こんな眼鏡の素材は、見ればみるほど不思議な風合いがします。
バイオプラスチックというと、生分解性があり、自然環境の中で微生物や酵素によって、最終的には二酸化炭素や水になって自然界へ循環する性質をもった素材です。
イタリアのマツケリ社が開発したM49というバイオプラスチックが有名です。
bois2|ボアカレは、そのアセテートの素になる素材の細かなチップ状のものに、製材所の木の丸太を切り落とす時に出来た廃材から作った木片のウッドパウダーを独自の製法で混ぜてオリジナリティのあるアセテートを作っています。バイオプラスチックに木片が混じったような仕上がりです。素材の色のベースになっているのは、マツとブナの2種類の木です。このバイオプラスチックのアセテートは、気温と湿度により長時間かけて堆肥化されます。
注)フレームとレンズの間に入ったカラーのリングは、別売りです。(下の表示の価格は、セット価格です。)
注)今回、ご紹介するのは、レンズにカラーの入ったサングラス仕様のものです。
もちろんクリアレンズに変えることも可能です。
bois2|ボアカレ
PRODUCT NAME :UNE + windsor
COLOR: eric crystal
PRICE: 46,440 yen(w/tax)
bois2|ボアカレ
PRODUCT NAME: UNE+ windsor
COLOR: bark2
PRICE: 44,280 yen(w/tax)
bois2|ボアカレ
PRODUCT NAME: UNE+ windsor
COLOR: navy
PRICE: 44,280yen(w/tax)
bois2|ボアカレ
PROCUCT NAME: UNE+ windsor
COLOR: black
PRICE: 44,280yen(w/tax)
製造時に大量に余る端材のアセテートを再利用
bois2|ボアカレが、眼鏡を製造するにあたり、こんな素材をわざわざ作るようになったのにはいくつかの理由があります。
1つには、製造工程時に生じる余った端材のアセテートが大量に廃棄されるのを見て、リサイクル出来ないかと思ったのです。bois2|ボアカレの工場では、眼鏡に使われるのは20%で、残りの80%の端材をリサイクルしています。リサイクルは眼鏡だけでなく、サーフボードのフィンにも再利用され新しいものへ生まれ変わっています。また、人間が身に付けるものなので科学的なものをなるべく使いたくないという思いから、天然素材でしかも廃棄されるはずの木片を使用しました。
木材を使用している為、ざらざらとした質感と手触りが生まれ、偶然にも独特な佇まいを作りました。
見ためからして、エコな感じが伝わってきます。
この配合される木片のウッドパウダーから、眼鏡フレームとして完成される工程は、bois2|ボアカレの自国であるフランスの工場で製造しています。
例えて言うなら「木製のプラスチック」
人と地球を考えたことが、結果的に他のブランドにはない「木とプラスチック」の混ざり合ったオリジナリティのある風合いを作り出しました。言葉でこの風合いを表現することは難しいので、実際に手にとって見ていただいたほうが分かり易いですが、見た目を例えて言うなら「木製のプラスチック」という表現が適切かもしれません。(プラスチックなのか木なのか、どっちなんだろうという感じです。)
身に付けると肌に触れる感じが、とてもコンフォートです。気持ち的にも、オーガニックコットンのタオルを使っている感覚に近いです。
「製造時の端材を再利用する仕組み」と「素材の分解性により自然界へ土となって循環する仕組み。」
眼鏡の製造工程時に生じ、大量に廃棄されるはずの端材のアセテートをまた再利用して眼鏡を作る仕組み。
また、その眼鏡が使わなくなった時に、アセテート自体に生分解性があるので、自然環境の中で微生物や酵素によって、最終的には二酸化炭素や水になって自然界へ土となって循環する仕組み。
手にすると小さな眼鏡ですが、言われてみれば作る時や捨てる時に小さな眼鏡とて廃棄物は出ます。
この2つの仕組みを真剣に考えている彼らは、眼鏡を作る人たちとして率直に素晴らしいと思いました。
全ての人たちに受け入れられる眼鏡ではないですが、この仕組みに共感する人たち、興味を持つ人たちは絶対にいるはずなので、眼鏡屋として提案の1つとしてみなさんに伝えていけたらと思います。
ぜひ、お気軽にお店にお越しいただいて、お手にとって独特の手触りを感じとってください。
ご来店をお待ちしております。
Photo & Text Toshiyuki Araoka
blinc|ブリンク外苑前
〒107-0062 東京都港区南青山2-27-20 植村ビル 1F
南青山3丁目交差点から30メートル,東京メトロ銀座線 外苑前駅 1a 出口より徒歩2分
営業時間 12時 〜20時(土日祝日は11時 〜20時)
定休日 月曜日 (月曜日が祝日の場合は、営業。翌火曜日が休み)
Tel 03-5775-7525
POSTED BY blinc AT 6:09 PM
TAGS: ボアカレ, bois2