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ガラスレンズ製造メーカーのサングラス THINGLASS(前編)

今回ご紹介するのは、新入荷のサングラスブランド THINGLASS | シングラス。
THINGLASS(シングラス)の本拠地からほど近い、大阪市生野区にある田島地区は、日本の眼鏡レンズ発祥の地として知られています。明治から昭和にかけては眼鏡レンズ工場が生まれ、最盛期は約200軒以上の工場が存在していました。
THINGLASS(シングラス)を作る『大阪眼鏡硝子』(現オーエムジー株式会社)も、この近くで眼鏡レンズ工場として1943年に誕生しました。

日本の眼鏡レンズ発祥地の大阪で『大阪眼鏡硝子』が誕生
第二次世界大戦中に硝子製造メーカーが戦時統合され、『大阪眼鏡硝子』が誕生しました。この大阪眼鏡硝子は、現在THINGLASS(シングラス)を立ち上げた堤友厚さんのお祖父さんの会社です。現在では眼鏡レンズの素材はプラスチックが主流になっていますが、昔はガラスレンズが主流でした。

プラスチックレンズが普及する前は、主流はガラスレンズだった。
80年代半ば以降、ガラスレンズの需要は減り、市場はしだいにプラスチックレンズへとシフトしました。時代の変化ともに、大阪眼鏡硝子の主力製品も眼鏡レンズからカメラなどの映像機器や医療用の産業用フィルターへと変わりました。必然的に社名も大阪眼鏡硝子株式会社から頭文字をとった、オーエムジー株式会社へと変わりました。

70年前の主力製品が、ブランドの立ち上げのきっかけ
大阪眼鏡硝子の3代目にあたる堤さんは、創業当初から主軸だったガラス製の眼鏡レンズに特別な思いがあり、ガラスレンズの持つ素晴らしさを人々に伝えようと奮起し、家業を継ぎながら新たに個人事業としてサングラスのブランド、THINGLASS(シングラス)を立ち上げました。会社名は、堤さんのガラスレンズへの思い込めて創業時の名前を復刻し、『大阪眼鏡硝子』としました。

自分でサングラスを作り、お客様まで届けたい決意
「そもそも眼鏡というのはglassesという名前の通り、レンズありきのプロダクトだったはずなのに、フレームのデザインに関する話ばかりで、レンズはおまけみたいな現在の状況に違和感を感じていた事もあり、材料屋の立場で訴えても伝わらないのなら、自分で製品を作って表に出ていくしかないというのが最終的な動機でしょうか。 」と堤さんは語ります。メーカーとしてガラスレンズをいくら製造しても、自分の声はお客様には届かない、だったら自分で最終製品を作るしかないと思ったそうです。

ガラスレンズの特徴 『特殊な色の出し方』
一般的にプラスチックレンズは、「染色」という方法により、染料を素材に染み込ませて色を付けます。ガラスレンズは、「着色」という方法により、ガラスの材料を1,400℃以上の高温で溶融させ、同時に鉄、マンガンなどの金属酸化物を着色剤として溶かし込んで色をつけます。

ガラスレンズの最大の特徴 『歪みの少ないクリアな視界』
高温で作られた色ガラスは、素材のどの部分をカットしても、均等な特性を持ち、安定した光学性能を持っています。
プラスチックレンズに比べて、ガラスレンズは遙かに歪みが少ないので、カラーのガラスレンズでは、ガラス独特のクリアな視界を体感出来ます。

『長く愛用してもらいたい』という思いから、普遍的でミニマルなデザインを採用
その大阪眼鏡硝子のガラスレンズを装着するフレームのデザインは2型、「TOKI」と「TAKA」。
ガラスレンズの持つ半永久的な耐久性を活かすためにも、単なるファッション小物ではなく「生活の道具」として10年、20年とずっと愛用できるような『LIFE TIME GEAR』が作りたかったので、デザインも極力ミニマルでタイムレスに仕上げました。

THINGLASS | シングラス
PRODUCT NAME : TOKI
COLOR:BLACK X CONTRAST ENHANCING KHAKI
PRICE:37,800yen (w/tax)

飽きのこない定番のウエリントンとよばれるスクエアに近い逆台形のフレーム型。

THINGLASS | シングラス
PRODUCT NAME : TAKA
COLOR:HAVANA X LIGHT BALANCING BROWN
PRICE:37,800yen (w/tax)

定番の1つのアビエーター(ティアドロップ)型は、パイロットの人間の目の動く範囲を考慮して誕生したデザインです。

両モデルとも他にもフレームカラーはもちろん、レンズカラーもブルー、グリーン、イエローなど数色がございます。本日、3月15日(水)より発売しておりますので、気になる方は、ぜひお気軽に店頭にお越しいただき、お試しください。

一回ではガラスレンズの魅力を語りきれないので、後編でガラスレンズが作るだす独自の美しいレンズカラーとその効果についてご紹介します。後編のアップ予定日は、3月17日(金)です。
ぜひ後編もご覧ください。

Text: Toshiyuki Araoka
Photo: Kota Takakuwa
(工場の写真は、メーカー提供)

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