ディレクター田代純一インタビュー | MIZ DIALOGUEの普段聞けない5つのこと
2025年9月13日(土)〜 9月28日(日)まで開催される、MIZ DIALOGUE |ミズ ダイアログの「THE METAL PLATING COLLECTIONオーダーイベント」
新たに追加された「YELLOW GOLD」「LUNA GOLD」「WHITE GOLD」「RUTHENIUM」の4色の貴金属メッキをカスタマイズでオーダーいただけるのはもちろん、今お持ちのMIZ DIALOGUEのフレームにも貴金属メッキを施すことができます。
イベントに伴い今回は、改めて「MIZ DIALOGUE」というブランドを掘り下げるべく、若手スタッフ田中が、ブリンクベースのマネージャー兼、MIZ DIALOGUEのブランドディレクターである田代 純一にインタビューを行いました。
「MIZ DIALOGUE」のデザインについて
田中
「現在6型あるベースモデルは田代さんお一人でデザインされているのですか?」
田代
「それはモデルによるね。ローンチの段階から展開していた「Quintus」「Ernest」「Gustav」「Jean」の4型は水島眼鏡の水島社長がデザインしたモデルなんだ。
もちろん僕の中で考えていたデザインの詳細とかは、水島さんと何度も打ち合わせして最初の4型は決めたって感じだね」
「追加モデルとして出た「Ces」と「Ludwig」は僕がデザインしてそれを図面に起こしてもらったんだ。「Ces」と「Ludwig」は最初の4型には無いバリエーションにしたかったからできるだけ細かく絵に書いて伝えるようにしたね。構造の部分は図面に起こしながらヨロイの位置を調整したりとか、構造的に可能かどうかとか打ち合わせを重ねて形になったんだ」
田中
「blincの母体会社の荒岡眼鏡と水島眼鏡の協業のブランドなだけあって両者のデザインが入り混じっているんですね」
田代
「そう!あくまでもMIZ DIALOGUEは”協業ブランド”なんだ。荒岡眼鏡だけのブランドで水島眼鏡に製造を依頼しているのでは全く無くて、両者のデザイン思想がしっかり反映させている協業ブランドなんだよね」
田中
「田代さんはMIZ DIALOGUEをデザインする際にインスピレーションを得ているものなどはありますか?」
田代
「実は、基本的に水島眼鏡が今まで製造してきた過去のアーカイブをベースにデザインしているんだ。1941年創業の老舗故に今まで大量のフレームをデザイン、製造してきたわけで、MIZ DIALOGUEをスタートする前にその大量のアーカイブを見せてもらう機会があったんだけどその中からインスピレーションを得ているね。
田中
「ではMIZ DIALOGUEは、自然と水島眼鏡らしいデザインになっているんですね」
田代
「そうだね。特に「Quintus」というモデルに関してはシンプルなパントシェイプだけど水島眼鏡らしさがしっかりと出ているモデルなんだ。blincで取り扱っているクラシックなブランドのパントシェイプとは、だいぶ違う雰囲気があるよね」
田中
「ヨロイがだいぶ低い位置にあるので一見ラウンドにも見えるけど、よく見るとパントシェイプですよね」
田代
「だからこのモデルはMIZ DIALOGUEの中でもアイコンモデル的な位置付けかな」
水島眼鏡について
田中
「次に、そんな水島眼鏡についても色々伺いたいと思います」
「無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインのMIZ DIALOGUEですが、そんなシンプルな中でも水島眼鏡の技術力が特に活かされていると感じる点はありますか?」
田代
「直接デザインに現れる技術力とは違うんだけど、水島眼鏡は金型から作れる数少ない工場なんだよね」
「やっぱり日本の眼鏡製造は分業制で”金型専門”、”磨き専門”、”メッキ専門”といった感じでそれぞれ専門の工場があってそこに外注するのが普通なんだけど、水島眼鏡は金型から作れるから全部自社で製造できるんだ。だから実際に図面に書いたものを製品化したときのギャップが少ないから、自分たちがイメージした通りの物を作ることができるのは水島眼鏡の技術力が現れていると言えるよね」
田中
「金型専門の工場に外注してももちろん良いものは出来ますけど、注文した物とギャップが生まれて余計なやり取りが増えるというのは他のブランドでもよく聞く話ですよね」
田代
「あとはMIZ DIALOGUEのカスタマイズなんてまさに技術力の結晶だよね笑
購入後の眼鏡を1本1本カスタマイズしてくれる工場なんてまず無いし、そこを対応してくれる”柔軟さ”も技術力の1つだと思うね」
田中
「これは噂で聞いた程度の話なのですが、昭和天皇のサンプラチナ製の眼鏡を作っていた老舗眼鏡店あって、その製造を担っていた工場が閉業した際に、その技術が水島眼鏡に受け継がれたという話は本当ですか?」
田代
「水島眼鏡の方から聞いた話によると、完全な裏付けが取れるわけではないんだけど、あながち間違いではないようだね」
「これも確証があるわけではないらしいのだけど、昭和天皇がお使いになったサンプラチナ製の眼鏡は、ある老舗店が受注し、特定の工場で作られたという話が、一般的に語られているそうなんだ。ただし、その工場の元職人が水島眼鏡に来られたことは事実で、サンプラチナや貴金属フレーム製造の技術を持っていた可能性は大いにあるね。」
田中
「皇室に納めていた物の技術が、間接的にでも受け継がれていると思うとロマンがありますね」
田代
「そうだね。サンプラチナ製の眼鏡を作れる工場が今ではほとんどない中で、水島眼鏡は現在も製造を続けている貴重な存在です。皇室との関係を裏付ける証拠は残っていないものの、当時の職人技術が水島眼鏡に息づいていることは間違いないと言えるね。サンプラチナの眼鏡を絶やさないためにも、これからも作り続けてほしいね」
新型モデルについて、、、
田中
「最後に、言える範囲でかまいませんので次の新型モデルの構想などがありましたら教えてください笑」
田代
「実は、構想はあります。具体的には言えませんが、”さらに自由度の高いもの”を作ろうと思ってます」
田中
「今までも豊富なカスタマイズができて十分自由度は高いと思いますが、さらにですか?
田代
「そうだね。フレームのカスタマイズはもちろん、”レンズ”もカスタマイズできるような構想ですね。MIZ DIALOGUEとしても初めての試みになると思うので、楽しみにしていてください笑」
Text:Kouki Tanaka
Photo:Tatsuya Sakaguchi
THE METAL PLATING COLLECTIONオーダーイベント詳細
開催期間|2025年9月13日(土)〜 9月28日(日)
開催店舗|ブリンク外苑前・ブリンクベース
対象
MIZ DIALOGUEフレーム新規購入
お持ちのMIZ DIALOGUEへのメッキ加工
価格
新規購入:¥66,000-(税込)
既存フレームへのメッキ加工:¥14,300-(税込)
※既存メッキありの場合は剥がし代 ¥5,500-(税込)別途かかりますのでご了承ください。
納期|ご注文から約2〜3ヶ月をいただきますのでご了承ください。
blinc|ブリンク外苑前
〒107-0062 東京都港区南青山2-27-20 植村ビル 1F
南青山3丁目交差点から30メートル,東京メトロ銀座線 外苑前駅 1a 出口より徒歩2分
営業時間 : 12時 〜20時(土日祝日は11時 〜20時)
定休日 : 月曜日 (月曜日が祝日の場合は、営業。翌火曜日が休み)
Tel : 03-5775-7525
ブリンク ベース
住所:東京都港区北青山3-5-16
TEL:03-3401-2835
営業時:12:00~20:00
定休日:月曜日 ※祝日の場合は振替で火曜日休業
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