あか抜けた艶『新吉原』岡野弥生さんインタビュー
1月5日(金)からブリンク外苑前で開催中の『お艶賀(おえんが)2018』。
新吉原とのコラボレーションによって製作した『色眼鏡拭き』を記念してはじまったポップアップイベントには、新吉原ファンのお客さまも連日お見えになっています。
「新吉原」は吉原で生まれ育った岡野弥生さんによる、土産物ブランドです。江戸時代は遊郭として栄え、現在は日本一のソープランド街として知られる吉原。岡野さんは色街ならではの歴史や文化を掘り下げながら、粋、艶っぽさ、ユーモアをプロダクトに反映させ、2014年にブランドをスタート。2016年には直営店「岡野弥生商店」(所在地:東京都台東区西浅草)をオープンしました。
今回のブログでは岡野弥生商店で、岡野さんにご自身についてのお話と「新吉原」「岡野弥生商店」について伺ってきました。
ブリンク:今日はお忙しいところお時間をいただきまして、ありがとうございます。
ところで岡野さんは新吉原を立ち上げられる前、サービス業に従事されていたそうですが、どうしてサービス業を選ばれたのですか?
岡野さん:20代のころは女性誌の編集者でしたが、なんとなく自分には合わないと感じて、地元をアピールできる仕事としてサービス業をやってみようと思いました。いろいろやってみましたが、今の「土産商」は自分に合っています。お客さまから聞かれたことにはちゃんとお答えしますけど、長々と説明する必要がないですし(笑)。
ブリンクの接客スタイルとは違いますよね。
ブリンク:岡野さんはとてもさっぱりしたお人柄で、確かに土産物商のスタイルは合っているかもしれませんね。お土産って、自分が気に入ったものをあげるから「お客さまにどんな風に似合うか」とかお伝えしなくてもいいですもんね(笑)。そもそも下町って、お土産物屋さんではなくても、さっぱりしたスタイルの接客が多いですよね。
岡野さん:そうですね。この辺だと、声をかけられなければお客さまでも放っておくところもありますよね。でも聞かれたことは親切に教えてくれるし。下町だから、せっかちで閉店時間よりも早めに店じまいするところもあります(笑)。もちろん、丁寧に接客されているお店も下町には沢山ありますが、お客さまとの接し方が青山とはちょっと違うかもしれません(笑)。
ブリンク:今回ご一緒させていただいて、岡野さんはメールの返信がとても早いと思ったのですが、何でも行動が早い方なんですか?
岡野さん:そうですね。もともと早い方かもしれません。ただ商品のデザインは、急ぎ過ぎると後悔することがあるので、1日寝かすようにしています。今回の色眼鏡拭きもそうでしたが、あがってきたビジュアルのチェックとか、決断は早い方だと思います。
『色眼鏡拭き』は岡野弥生商店でも販売中です。『お艶賀(おえんが)2018』の告知もありがとうございます!
ブリンク:率直に伺って「吉原」を冠しているブランドだけあって、商品もエロさとは切っても切り離せないものが多いですが、どういった物からインスピレーションを受けているのでしょうか?
岡野さん:遊女にまつわるエピソードなどは、この仕事を始めてからインターネットや本で調べたり、リサーチして商品に落とし込んでいます。もともとこの世界に詳しかったわけではないですね。エロはあんまりやりすぎなのは好きではなくて、匂わせるくらいのものがいいと思っています。“the春画”的なものよりも、アメリカのポップでカラッとしたエロさに憧れたりもします。
ブリンク:確かに直接的でないので、お土産物として男性にも女性にも喜んでいただけます。岡野さんのインスタグラムの投稿でESOWさんの作品を見かけますが、スケートカルチャーはもともとお好きだったんですか?
手ぬぐい「赤い襦袢」は余白に絵や文字がかける手ぬぐい。真ん中のイラストはESOWさんのもの。
岡野さん:スケーターの方と交流がはじまったのは、この仕事を始めてからですね。新吉原はスケーターとか、パンクスとか、サブカルチャーというかアンダーグラウンドな人たちから応援されています。私も精神面はパンクだと思っています(笑)。
ブリンク:お会いして間もないですが、確かに岡野さんには媚びない、裏表がないイメージがあります!最近のカルチャーもミックスされているので、「新吉原」のアイテムは「吉原にお土産物があったらこんな感じかな」と連想するものとはちょっと違う気がします。
岡野さん:そうですね。昔からの延長ではありますが、皆さんが持っている吉原のイメージよりは、もう少しおしゃれにしたいと思っています。私1人でやっているので、ビジュアルもコントロールしやすいのかもしれません。でもお店ができて、やっと世界観が伝わるようになったかなと思います。開店までは、もっとガチャガチャした感じのお店になると思っていた方も多いみたいです。
ブリンク:「新吉原」という名前は、江戸時代日本橋人形町にあった「元吉原」と区別して、明暦の大火後に移転した、「新吉原(浅草寺裏の千束3丁目と4丁目を指す)」という意味合いもありますが、「NEW吉原」の意味合いにもとれて、面白いですよね。
岡野さん:ありがとうございます。やっぱり吉原は最近できた街とは違いますし、歴史・背景があるところなので、このお店が吉原に興味を持っていただくきっかけになったらいいなと思っています。かといってこちらから歴史を押し売りする気もないので、興味をもったら各自で調べていただければ嬉しいです(笑)。
ブリンク:新吉原に興味をもってくださったお客さまに、岡野弥生商店にいらっしゃる時の、近くのおすすめスポットを紹介したいのですが、どんなところがありますか?
岡野さん:夜の浅草寺はいいですよ。昼はにぎやかですけど、夜は23時までライトアップされているので、特に人がひいた時間がおすすめです。友人が遊びに来てくれた時も、帰りは浅草寺を通って送っていくようにしています。
ブリンク:夜の浅草寺!機会を作って見に来てみたいと思います。今日はお時間をいただきまして、ありがとうございました!
岡野弥生商店には、今回のポップアップイベントでは扱っていない、粋な土産物も揃っています。浅草界隈にいらっしゃる際は、ぜひお立ち寄りください!お休みは不定休ですので、インスタグラムなどで事前にチェックされるのがおすすめです。
年始の間はミルウォーキー在住のアーティスト、Sara Caronのカレンダー、カップ、タイルも展示販売中です。
岡野弥生商店
東京都台東区西浅草3−27−10-102
営業時間:12:00-18:00
定休日:不定休
http://shin-yoshiwara.com/
新吉原ポップアップイベント『お艶賀(おえんが) 2018』と、新吉原とのコラボレーションによる『色眼鏡拭き』についてご紹介したブログ記事はこちら(↓)からご覧いただけます。
http://blinc.co.jp/blinc/journal/9342/
blinc|ブリンク外苑前
〒107-0062 東京都港区南青山2-27-20 植村ビル 1F
南青山3丁目交差点から30メートル,東京メトロ銀座線 外苑前駅 1a 出口より徒歩2分
営業時間 12時 〜20時(土日祝日は11時 〜20時)
定休日 月曜日 (月曜日が祝日の場合は、営業。翌火曜日が休み)
Tel 03-5775-7525
POSTED BY blinc AT 11:47 AM
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