対談 | 眼鏡とアンティーク家具 ブリティッシュ・クラシックの魅力(後編)
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ブリティッシュ・クラシックの魅力をテーマに、ブリンク外苑前マネージャー・矢澤直人が「ロイズ・アンティークス」副社長の久保洋平さんとさせていただいた対談。
後編は、アンティーク家具の魅力を聞いていきます。
矢澤:久保さんには、今度は、サヴィル ロウのレザーのセル巻きモデルを掛けていただきたいと思います。
久保:これは、いいですね。お店としても、自分の使ってきた家具としても、どちらかというとデコラティブなものが多いので、サヴィル ロウもセル巻きが気になっていました。レザー巻きというのは、珍しいのではないですか?
矢澤:そうなんです。レザー巻きは、1910〜20年頃には、眼鏡に取り入れられていたディテールのひとつですが、ヴィンテージの眼鏡店でもあまり見かけないですね。時々、出物があると、一部のヴィンテージ眼鏡マニアの方々が飛びつくような、かなり珍しいディテールだと思います。
サヴィル ロウでは、そのレザー巻きを、昨年から復刻しています。こちらは、フロントがレザーでサイドがプラスチックというのが面白いですよね。
久保:素材感がある眼鏡はいいですね。アンティークの家具には、パッと見てすぐにお分かりいただける魅力としてデザイン性や装飾性がありますが、素材の使い方、活かし方というのも見ていただきたいポイントなんです。
矢澤:具体的にはどんなところですか?
久保:例えば規制のため、当時の良質なマホガニー材やローズウッド材を使用した家具が新たに製造されることはなく、希少になっています。だけどアンティークでなら、当時使われていた素材としてお目にかかることができるわけです。
矢澤:なるほど。そこが、アンティーク家具のもうひとつの魅力というわけですね。
久保:木製のイギリス家具のなかでも、古いものは特に塗装の技術が素晴らしいですよ。「フレンチポリッシュ」といって、タンポという綿をつめた薄い布のようなもので、100回、200回と色を重ねていく技法です。本当に高い技術を持つ職人にしか生み出せない、深みがありながら、美しい艶を宿す質感というのがあるんです。
矢澤:経年変化もしていくのでしょうか。
久保:正直、水には弱いのですが、その分、木の質感を最大限に楽しむことができます。それがウレタン塗装との違いですね。メンテナンスの際には、あえて経年変化の質感を残して、塗装をし直すことが多いです。
矢澤:メンテナンスも、昔ながらのクラシックな方法で進めていくんですね。
久保:メンテナンスに関しては、イギリスに30年来パートナーシップを組んでいる関連会社がありまして、本場の家具の雰囲気を壊さないよう、本国と日本の職人で連携して修理など進めています。サヴィル ロウは、メンテナンスはどうされているんですか?
矢澤:セル巻き、レザー巻きがはがれてしまったり、汗によって劣化した場合などは、取り替えが可能です。パーツを変えたり、修理をしたりして対応しつつ、必要な場合は、本国のアルガワークスの工場に依頼することもあります。耐久性がつよい眼鏡ではないからこそ、愛着をもって長く使っていただきたいと思っています。
矢澤:実は、サヴィル ロウのメタル部分のゴールドも、とてもクラシックな製法で作られているんです。Rolled Gold(ロールドゴールド)という製法です。
久保:それはどういう製法ですか?
矢澤:普通の眼鏡の金属は合金に薄くメッキをするのが一般的なんですが、ロールドゴールドは、芯こそ合金ですが、外側に14K、24Kを分厚くコーティングした上で、ぐーっと引き伸ばすんです。そうすることで、金が厚くコーティングされた、独特のツヤ感のあるゴールドになる。とても手間ひまがかかるので、他の工場ではやらなくなってしまった製法でもあります。
久保:耐久性もありそうですね。
矢澤:うーん、耐久性だけを考えたら、日本の最新の工場で作られた眼鏡のほうが丈夫かもしれません。踏んづけても折れないような素材が開発されていますから。でも、イギリスの古い家具が水に弱いように、ウィークポイントがあったとしても、かえってそこに惹かれるというのはありますよね。
久保:確かに。ウィークポイントを差し引いても、イギリスの古家具の深みのある塗装は魅力です。機能性も大事ですが、ものを愛でるという意味で、その家具が持つ空気感に惹ひかれたのなら、ぜひ空間に取り入れて、使いこなしていただけたらと思いますね。
久保:住環境が変化して、現代の家には、造作家具も増えていますし、大きく薄くなったテレビ用の台を探していらっしゃる方もとても多いですが、デザイン、機能性、素材すべてにおいて、アンティーク家具の変遷と蓄積があるから、いまの家具があると思うんです。
矢澤:アンティーク家具には、テレビ台は、なかなかないでしょうか。
久保:そうですね。うちで扱うものは、100年前頃に作られたものが多いので、当然テレビが普及していない時代です。でも、かわりとして見立てることができるテーブルはある。アンティークならではのデザインや大きさのメリットを生かして、発想を自由に使ってほしいと思いますね。
矢澤:100年前の家具を、お客様方は、いまの住空間でどのように使っていらっしゃいますか?
久保:すべてアンティークで揃えるというよりは、出会いを大切に、ひとつ、ふたつから始めるという方が多いです。アンティークがひとつ入ることで、空間が更にしまるんですよね。また、デコラティブな空間に北欧系のヴィンテージを合わせるようなご提案をすることもあります。お客様のご自宅をみせていただく機会もありますので、接客は、サヴィル ロウのように「提案しあつらえる」というイメージもあるかもしれません。
矢澤:サヴィル ロウを好むお客様も、全身、ブリティッシュテイストという方もいらっしゃれば、ストリート系のカジュアルなファッションに、クラシカルな眼鏡を合わせたいという方もいらっしゃって、そういう現代的な解釈は面白いな、さすがだなと感心してしまうことがありますね。
久保:全体ではなく、すこしでもいいんですよね。家具の場合は、一人がけのソファやチェアから始める方も多いですよ。
矢澤:眼鏡も家具も、お客様の趣味嗜好をうかがい、それを大事にしながらご提案できるものなのがいいですね。店のスタッフとお客様の距離が近いような気がします。
久保:サヴィル ロウはカスタムオーダーとして、ロイズの家具はアンティークとして、どちらも一点ものになりますね。お客様にとって、とてもパーソナルなものになりますから、対話をしながらご提案できたらと思います。
矢澤:そして、ブリティッシュ・クラシックは、いまの感覚とミックスすることで、より格好よく見せることができそうですね。
今日はいろいろなお話が聞けました。ありがとうございました。
【今回久保さんにかけていただいたレザー×セル巻のメガネ、クアドラ】
SAVILE ROW | サヴィル ロウ
PRODUCT NAME: OSRC13 QUADRA
COLOR: Gold Shiny with Tan Leather Rim
TEMPLES: No.36 Hockey Sides(Gold Shiny with Blond covering)
PRICE: 52,800yen(w/tax)
※こちらの価格は2019年10月時点のものです。
今回の対談の前編はこちら(↓)からご覧いただけます。
対談 | 眼鏡とアンティーク家具 ブリティッシュ・クラシックの魅力(前編)
http://blinc.co.jp/blinc/journal/10839/
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Text&eEdit:Saiko Ena
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POSTED BY blinc AT 5:30 PM
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