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ayame | アヤメ 新作 HEX、MATTERHORN デザイナー今泉悠氏インタビュー

新作が出る度に指名買いで来店されるお客さまが後を絶たないブランド、ayame。
今回のブログではayameデザイナーの今泉悠さんに、MDの高桑が新作の『HEX』と『MATTERHORN』についてお話を伺います。



今季の特徴は六角形?

MD高桑(以下高桑):
本日はお忙しい中、お越しいただきましてありがとうございます。
今回の新作は2つとも多角形フレームですね。今季は六角形がテーマなのでしょうか?

今泉:
はじめから六角形を意識していたわけではないんです。当初今シーズンはもう1型予定していて、それは六角形ではなかったのですが、製作中に当初のコンセプトと矛盾が出てきてしまい、練り直したため製作が間に合いませんでした…(笑)。次シーズンにはお見せできるものになっていると思いますので、期待してください。

高桑:
楽しみです!

今泉:
ただ前作のDJANGOも六角形のフレームで、思いのほかよい反応をいただいたのですが、サングラスとしては成立しているんですけど、メガネとしてかけるには少し納得いかない部分があって、もう少しかけやすい六角形ができないかなというのは以前から考えていました。



必要な構造以外はそぎ落とした六角形のコンビネーションフレーム

高桑:
MATTERHORNは、DJANGOと比較すると、より下の部分が長くなって上下のバランスのメリハリが出た感じですね。

今泉:
ブリッジとヨロイ(フロントとテンプルをつなぐ部分)を上にあげて、シェイプは若干の丸みを出しつつ。今回は新しい玉型(レンズの形)を作りたかったというのもあります。

高桑:
このフレームは装飾を見せないようにしていますよね。飾り蝶番もないですし、構造として必要ない飾りが一切ないですね。

今泉:
アセテートとメタルのコンビフレームは最近、彫金に凝ったり、どこか装飾的なつくりが今の流れなので、僕たちはメタルの部分を最小にして、ブリッジだけにとどめました。
でも最初ブリッジを中心にフレームの形をいろいろ描いたんですけど、全部CUTLER AND GROSSみたいになっちゃうんですよね(笑)。
ならないように描いていたらこの形に落ち着きました。なんでだろうね(笑)。

高桑:
それは昔からお好きなブランドだからかもしれないですよね。

今泉:
今も好きです。普段もかけているので、ayameのどのモデルかと聞かれてしまいます(笑)。
MYKITAもいいブランドですよね。玉型と色がいいですよね。



独特の色使いとディテールへのこだわり

高桑:
僕もドイツのデザインすごく好きです。男性はドイツが好きな人が多いですよね。
HEXについては、僕は色が気になったんですが、右下のBlack Clear(黒とクリアの2トーンの生地)みたいなのが個人的に好きなんです。この生地を使うのは久しぶりじゃないですか?

今泉:
そうなんです。今の気分なので作ってみました。
ブロウっぽく見せられるように生地を斜めにカットしたので、黒とクリアの境目が、内側の方が位置が高く、外側の方は位置が低くなっています。
ラギットな感じにはせず、モダンになるように意識してつくりました。

高桑:
かっこいいですよね。カラーレンズの組み合わせも独特で面白いですね。

今泉:
近年薄いレンズを入れる組み合わせが増えたでしょう。
FOCUSから薄いレンズを使っていたのですが、ずっとチンピラって言われてましたが(笑)、最近はみなさんおしゃれでかけるようになってきましたよね。

高桑:
最近は薄い色でももう少しビビッドな色がみられますが、ayameのサングラスレンズは少し淡いというか独自の色使いですよね。

今泉:
根底には昭和がありますから。昭和が好きなので、それっぽいカラーリングになっている可能性はあります(笑)。今のいわゆる“チンピラっぽい感じ”ではなくて、昭和の任侠映画みたいな。あの時代の映画って、独特の色気がありますよね。危なっかしさ、はかなさというか、色っぽいですよね。

高桑:
散りますもんね。心意気ですよね。

今泉:
そういう色っぽさのあるメガネは今後も作ってみたいなぁ。



ノーマルなツーブリッジフレーム

高桑:
HEX AVに使われているツーブリッジは、以前からとりいれられていますよね。

今泉:
多いですね。市場的にも最近増えて来ていますよね。

高桑:
このツーブリッジはあまりハードな感じがしないですね。
そういえば今泉さん、アヴィエイターがお好きですよね。

今泉:
そうですね。個人的にカトラーとかAOオプティカルのサングラスも持っています。

高桑:
おじさんっぽさがいいですよね。商店街で歩いているような。

今泉:
よく言えばMac立ち上げ時のスティーブ・ジョブズみたいな。

高桑:
知的なイメージとおじさんっぽさって紙一重ですよね(笑)。
最近女性にも浸透してきて、ツーブリッジを選ぶ方が増えています。

高桑:
形状から離れてもう一度玉型(レンズの形状)の話に戻りますが、ayameの名前は“彩目”という意味もあり、もともと玉型にこだわるブランドですが、今の流れの中でそこにこだわっているというのは、改めて新鮮というか、原点回帰ですね。

最近のメガネはラーメンでいうと、全部のせスタイルの方が主流なので、それも面白いのですが、今泉さんのように逆に基本の素材を追及する姿勢にとても共感します。
時代の流れでデザインを“そぎ落とす”“足す”っていうのは繰り返しやってくることですが、いつの時代も美しいものを求めて作っていくayameのスタイルからは、長く残るデザインが生まれそうな気がします。

今泉:
メガネって、レンズよりはフレームに皆さん注目するじゃないですか。本来はレンズあってこそのフレームで、フレームはレンズの支えなので、デザインする時はレンズの形状から考えていきたいと思っています。



クセがあってもなぜか馴染むayameのフレーム

上から
ayame | アヤメ
PRODUCT NAME:FOUFOU
COLOR:BLB
PRICE: 32,400yen(w/tax)

PRODUCT NAME:NEWOLD
COLOR:B/D
PRICE: 32,400yen(w/tax)

PRODUCT NAME:SPIKE
COLOR:DTR
PRICE: 32,400yen(w/tax)

高桑:
もともと定番のNEWOLDしかり、玉型にこだわっているからクセがあってもかけた時になじむっていうのは、ayameの特徴ですね。

今泉:
はじめMATTERHORNのサンプルがあがってきたときは、「すごいの作っちゃったね」って言われるのかなと思っていたのですが、うすいカラーのレンズを入れてかけてみると意外とはまったんです。SPIKEもそうなんですけど、「パッと見ちょっと個性的だけど、実際かけてみるとすんなり入ってくるじゃん」とか。

高桑:
NEWOLDもそうですよね。見た目は特徴的だけど、かけるとすんなりはまります。
今泉さんのデザインされているフレームってそんな特徴がありますよね。

今泉:
眼鏡の世界から入っていないから、基礎がないんですよね。だから逆にこうしなきゃいけないっていうセオリーにとらわれないですむのかなと思います。もちろん今は勉強していますし、そこにブランドとしての伸び代があると思っていますけど(笑)。
客観的に見ることができているとは思います。
全部のせって、高桑さんが言ってましたけど、景気がよくなってくると、ごちゃっとしたデザインが台頭してきますよね。

高桑:
ちょっとバブリーな感じですよね。

今泉:
逆に景気が悪くなるとそぎ落とされたシンプルなデザインが出てくるというか。だから全部のせは今の気分だと思うんだけど、だからこそ自分は今は逆にいっています。

高桑:
全部のせも面白いのですが、今はayameのようなスタンスで作っているメガネが少ないので、存在がとてもありがたいです。最後にブランドのこれからの展開について、お聞かせください。

今泉:
近いところだと、来季はネオクラシック的なものになります。ディテールは今だけど、形は『どクラシック』っていうくらいクラシックなものを作ろうと思っています。今後のスタンダードになるようなものができるといいですね。

高桑:
今後のスタンダード、面白いですね。

今泉:
あと僕たちはデザインの型数が少ないって言われるんですけど、今の気分のものを差し込みつつ、パーマネントコレクションを増やしていきたいです。

高桑:
最近ayameのスタンダード、パーマネントコレクションの分母は着実に増えてきていますね。次の展示会も楽しみにしています。今泉さん、本日はありがとうございました。



今回ご紹介した新作フレーム

ayame | アヤメ
PRODUCT NAME:MATTERHORN
COLOR:DM
PRICE: 41,040yen(w/tax)

ayame | アヤメ
PRODUCT NAME:HEX
COLOR:BKC
PRICE: 43,200yen(w/tax)

ayame | アヤメ
PRODUCT NAME:HEX AV
COLOR:
PRICE: 43,200yen(w/tax)

ayameの新作、MATTERHORNとHEXはメガネとしてもかけられます。
今はカラーも豊富に揃っておりますので、ぜひ店頭でお試しください。



Photo: Kota Takakuwa



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