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「素材を選ぶ」という体験。 — KISSO 吉川精一さんが語る、マツケリの魅力 —

3/20〜4/5の期間、ブリンク外苑前では
E.B. Meyrowitz の特別オーダーイベントを開催しています。

店頭には、普段はなかなか目にすることのない、
色とりどりのアセテート生地が並びます。

見ているだけでも楽しい。
でも、「なんか綺麗」で止まってしまうことも多い素材です。

今回は、株式会社キッソオ 代表・吉川精一さんに、マツケリという生地の魅力と、アセテートという素材についてお話を伺いました。

眼鏡の「前」にいる会社

株式会社キッソオは、もともと眼鏡の材料商社としてスタートしました。

眼鏡の産地・鯖江において、フレームをつくるために必要な材料や部品、機械を扱いながら、製造のいちばん上流からものづくりを支えてきた会社です。

いわば、工場の「困った」を解決する存在。

現場で何が必要とされているのかを理解し、それに応え続けることで、産地とともに歩んできました。

その根底にあるのが、

「自らイノベーションを起こし、顧客に感動を与え、感謝される存在として、眼鏡という地場産業の発展に貢献し続ける」

という考え方です。

眼鏡業界が成長すれば、材料の流通も増え、結果として会社も成長する。
だからこそ、自分たちの利益だけではなく、業界全体の発展に向き合い続けてきたのです。

ただ、その一方で。

業界の変化は、上流にいるからこそダイレクトに伝わってきます。

眼鏡の市場が縮小すれば、材料の出荷も減ってしまいます。
その現実の中で、「これまでと同じことだけを続けていていいのか」という問いが生まれました。

とはいえ、材料屋がそのまま眼鏡をつくると、これまで支えてきた工場や商社と競合してしまう。

そこで考えたのが、「眼鏡ではないもの」でした。

自分たちが持っている「素材」と、それを扱う「技術」。
それを活かしながら、産地にも還元できる新しい形はないか。

その答えとして生まれたのが、アクセサリーブランド「KISSO」です。

色鮮やかなアセテートという素材の魅力を最大限に引き出しながら、
「きれいだね」「素敵だね」と、誰かに喜ばれるものをつくる。

それは、自分のためのものでもあり、
誰かへのギフトでもあり、手に取ることで少し気持ちが動くようなもの。

そうした価値を重ねながら、今のKISSOというかたちがつくられてきました。

KISSOのHPはこちらから!

見た瞬間に、惹かれる素材

アセテートという素材は、言葉で説明する前に「いいな」と思うことが多々あります。

鮮やかな色や透明感、艶。
奥行きのある柄の重なり方。

触れてみると、また少し印象が変わります。

軽さや、ほんのりとしたぬくもり。
磨いたあとの、少し潤んだような質感。

視覚だけでなく、触れたときの感覚も含めて、この素材の魅力はできているのかもしれません。

素材というより、表現に近いもの

マツケリの生地は、単なる「素材」という言葉では収まりきらない存在だと思います。

Mazzucchelliが生み出す色柄は、ファッションのテキスタイルのようでもあり、アートピースのようにも感じられる。

家具やプロダクトにおける素材の魅力、
ファッションにおけるテキスタイル、
アートにおける表現。

そういった領域と重なりながら、どこかそれ自体で完結しているような強さがあります。
まだ何にもなっていないはずなのに、すでに「何か」として成立している。

だからこそ、どう使うかによって印象は大きく変わるし、ぴたりとはまったときには、素材以上の存在になるんです。

マツケリの生地は、そんな「表現に近い素材」だと感じています。

マツケリらしさは、ここにある

数あるアセテートの中でも、マツケリの特徴はやはり色と柄にあります。

毎年発表される新しいカラーは、どこかで見たことがあるようで、ちゃんと違う。

似ているものはあっても、同じものはなかなか生まれないです。
他ではなかなか出せない、独自の色柄がつくられており、その微妙な違いに惹かれるのも、この素材ならではの魅力です。

特に、新しい生地が発表されたとき、「これ、いいな」と思う瞬間が多々あります。

イタリアらしい色使いや、少し遊びのある柄。
理屈よりも先に、感覚が動く。

その一瞬に、この素材の魅力が詰まっているのかもしれません。

削ることで、見えてくるもの

アセテートは、削ったり磨いたりすることで表情が変わる素材です。

もともと生地の柄は、正面から見たときに一番きれいに見えるように設計されています。

ただ、そこに角度をつけてカットしていくと、また違った見え方が現れてきます。

その変化まで含めて、デザイナーが設計した眼鏡をみた時に、「こう見えるのか」と感じる瞬間があります。

その奥行きも、この素材の面白さのひとつだと思います。

選ぶという体験

普段は、ブランドごとに色柄の方向性があり、デザイナーがその中から選んでいきます。

ただ今回は、お客様ご自身に生地を選んでいただく企画になっています。

たくさんの生地の中から選ぶ。
迷いながら決める。

その時間ごと、自分のものになっていく感覚があります。

組み合わせによって、一本一本がまったく異なる、世界にひとつの眼鏡になる。

そのプロセスも含めて、楽しんでもらえたら嬉しいです。

アセテートは、見たときの印象や、触れたときの感覚で選ばれていく素材です。

見たときにどう感じるか。
その感覚を大切にしながら、自分だけの一本を見つけてみてはいかがでしょうか。

text : Shin Watanabe
スタッフ情報はこちらから

「生地からメガネを選ぶ」E.B. Meyrowitz 特別オーダーイベント

期間:3月20日(金)〜4月5日(日)
会場:ブリンク外苑前
〒107-0062 東京都港区南青山2-27-20 植村ビル 1F
営業時間:12:00〜20:00
定休日:月曜日(祝日の場合営業/翌火曜休)
Tel:03-5775-7525