日本の眼鏡業界を代表するデザイナー、榎本郁也氏が、満を持して自身のブランド立ち上げる
I.ENOMOTO | アイ.エノモト
PRODUCT NAME:上 IE003 ,下 IE002
COLOR:BK
日本の眼鏡業界を代表するデザイナー、榎本郁也氏が、満を持して自身のブランド「I.ENOMOTO」を立ちあげました。
手掛けた眼鏡のデザインは、約3000モデル以上
榎本氏が、今までに手がけてきた眼鏡のデザインは、約3000モデル以上あると言われています。眼鏡業界では有名な存在ですが、榎本氏の名前が表に出ることはまずありません。眼鏡デザイナーとして、20年以上キャリアがありますが、2012年から大手メーカーから独立し、フリーの眼鏡デザイナーとしてご活躍されていました。この数年の眼鏡界の流行を陰で支えていた方であり、榎本氏の存在がなければ今の眼鏡業界の流れも大きく変わっていただろうという重要なキーパーソンです。
日本とイタリアの2つのアプローチが合わさったのが榎本流
榎本氏は、眼鏡で有名な産地の1つイタリアで眼鏡のデザインの仕事をしている経験もあります。イタリアと日本では眼鏡をデザインするまでのアプローチの仕方が、180度くらい違うそうです。イタリアは、ダイナミックに全体のイメージを作り、そこから細かなデザインにして行きます。それに対して日本は、細かなディテールのデザインから入り、全体を作り上げて行きます。全体から入るか、ディテールから入るかの違いですが、榎本氏はその両方を行ったり来たりしながらデザインして行くそうです。
I.ENOMOTO | アイ.エノモト
PRODUCT NAME:上 IE003 ,下 IE002
COLOR:GP
デザイナーの域を越え、眼鏡の構造と素材に精通する
榎本氏は、デザイナー力はもちろんのこと、眼鏡の構造と素材に精通しています。眼鏡の新しい構造もたくさん開発して来ましたし、素材に関しても研究熱心です。意匠としてのデザインだけではなく、使う人の気持ちに立った掛け心地を重視します。
今回は、シンプルに直球勝負の3型
そんな榎本氏が、自身のブランドでどのような眼鏡を出して来るかは大変興味がありました。今回、発表されたフレームデザインは、「ウェリントン」、「ボストン」、「ダブルブリッジのスクエアアビエータ」の3型です。言ってしまえば、定番中の定番の「どスタンダード」の形です。複雑な三次元の構造までもデザインする榎本さんが、シンプルな直球勝負のようなデザインで出して来たのは意外でした。実際、「ウェリントン」、「ボストン」、「アビエータ」に言えば、かなりのデザイン数を描いて来たと思います。
榎本氏のスタンダードの集大成
長いデザイナー人生の中で、榎本氏はスタンダードなデザインの集大成となるものをまず作ってひと区切り付けたかったのではないかと思います。実際、最高の美しい「ウェリントン」、「ボストン」、「アビエータ」の3型です。
なぜ素材にチタンを選んだのか?
素材は、フロントフレームにはチタン、テンプル(ツル)にはベータチタンを使用しています。眼鏡の素材でチタンが使われてから、30年くらい経過します。日本のチタン素材の眼鏡は、他国の追随を許さないほど世界に誇れる技術レベルと言われています。榎本氏は、個人による素材の好みはあるが、軽量、耐久性、フィット感など総合的に考えて、チタンが究極の眼鏡の素材と言います。
I.ENOMOTO | アイ.エノモト
PRODUCT NAME:上 IE002 ,下 IE001
COLOR:GP
あらゆるバイアスを排除したミニマルなデザイン
今回は、その日本が誇る素材のチタンを使い、昔からあるスタンダードな「ウェリントン」、「ボストン」、「アビエータ」をデザインしたのです。ブランドのコンセプトは“MODE AND CRAFT”。「タイムレスでクオリティを備えたものに興味を惹かれます」という榎本氏は、あらゆるバイアスを排除したミニマルなデザインと滑らかなフィッティングを実現した眼鏡を作りました。
「I.ENOMOTO」を見た率直な感想
「I.ENOMOTO」を見て、僕の個人的な感想です。眼鏡デザイナーとして、いつもブランドというクライアントがいる状態で、クライアントの要望に応えるように榎本氏はデザインをして来たと思います。自身のブランドでは、その要望に応える必要がなくなった時に、どうやって榎本氏が眼鏡を表現するだろうかと疑問に思いました。結果的に、もっとダイレクトに潜在的なユーザーたちの要望を応え、シンプルに形で表現したのだと思います。
世の中に様々なデザインの眼鏡がある中で、榎本氏の「I.ENOMOTO」は、ブランドの知名度に関係なく、眼鏡の本質を優先したコレクションです。
ぜひ、一度お手にとっていただければ、「I.ENOMOTO」の素晴らしさを実感していただけると思います。
ブリンク外苑前
住所|東京都港区南青山2-27-20 植村ビル 1F
TEL|03-5775-7525
営業時間|平日12:00 – 20:00、土日祝日11:00 – 20:00
定休日|月曜日
text Toshiyuki Araoka
POSTED BY blinc AT 10:15 PM
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