コンテンツへスキップ

OTAKUMI ブログ | 第3話 歪んだフレームを直せ!

前衛芸術のようなこのメガネ。オブジェとして見れば、それはそれで美しくも見えますが…。いえ、ただメガネが歪んでいるのです。今回は、メガネ屋の腕の見せどころ「フレームの歪み調整」を、OTAKUMIこと加藤やすが、ご紹介いたします。

メガネ屋として看板を出したからには逃れられない「フレーム調整」。シンプルな事ほど奥深いという格言はここでも活きます。実際治すためには様々な工具を駆使するのですが、実は”知恵”と”閃き”とある種の”勘”を働かさせなければその成功確率を上げられません。たとえば、今回の患者(歪んだメガネ)様。状態は、正直目も当てられません。理由は多くありますが、特にブリッジパーツ付近の”ねじれ”は、工具を普通に使う程度では困難を極めます。そこで、今日も閃くわけです…「無いのであれば作ればいい!」。

ということで、手持ちの工具を改造します。今回要求したいポイントは「いかにフレームにダメージを与えず”ねじれ”を治せるか」です。この条件に適いそうな工具は、サンニシムラ社製No.937ヤットコというものですが、固定するには接地面が広いため、この形に合うよう接地部に”スリット”をいれちゃいます。

こうすることで、保持した時のブレを減少し加えた力が正しく伝わることで、頭に描いたように調整ができます。残すは、一見難易度の低そうに見える修理箇所ですが、ふと見て今度は”勘”が働きます。勘はある種”経験則”にも起因するものと私は考えていますが、過去の経験上このような状況で失敗したことがきっとあるのでしょう。ここでストップして壊さないという逃げ方も立派な調整方法ですが、自分と対話し「条件つきでGO」との合図がでました。

それは、工具でなく指で調整すること。フレームにやさしく一番融通が利く工具…そう、指は最高にして究極の工具なのです!

モノを生み出すのも人の手ならば、治すのも人の手でしょうか。もっとも、このような凄惨な状況になっても溶接が外れない『RANDOLPH(ランドルフ)』のフレームにも賞賛の声をあげたいところですが…。ミルスペックは伊達じゃない!尚、この度のフレームは、RANDOLPH社より耐久度がわかるサンプル品をお借りさせて頂きました。ご協力頂き誠にありがとうございます!

…お目汚し失礼致しました!(汗)
それでは次回もおた(く)のしみに!!

弊店のメンテナンス対応について
・メンテナンス対応は、弊店でお求めのメガネのみ承ります。
・メンテナンスは通常業務の合間に行うため、納期のお約束が難しいものもございます。
・作業によって、有料のものと無料のものがございます。

まずはお気軽に店頭にてご相談ください。

修理対応について
修理の必要なメガネやサングラスを実際にお持ちいただき、修理担当のOTAKUMIこと加藤やすにお気軽にご相談ください。
修理に関するご相談は、分かる範囲でメールでも対応させていただいております。何か不明な点がございましたら、加藤やすに宛てにお気軽にメールでご相談ください。以下が、メールアドレスになります。(尚、弊店でお求めのメガネのみ承ります。)

otakumi@blinc.co.jp

POSTED BY blinc AT 6:00 PM

TAGS: メンテナンス, RANDOLPH