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I.ENOMOTO|デザイナー榎本郁也氏がI.ENOMOTOを通して”伝えたい”こと(前編)

2月29日(土)から開催する、I.ENOMOTO|アイ.エノモトのPOP UP SHOPを開催します。



今回はPOP UP SHOPの開催を前にデザイナーの榎本郁也さんにブリンク外苑前のショップにお越しいただき、ご自身のブランドやメガネのデザインについてお話を伺いました。
後編はこちらから→(http://blinc.co.jp/blinc/journal/11524/)



先日開催のアパレルショップでのPOP UP SHOPを通してみて



スタッフ田代(以下田代):アパレルショップ目線のI.ENOMOTOの見せ方は正直参考にさせていただきましたね、「あ、I.ENOMOTOはこういう合わせ方もして良かったんだ。」という感じで。

榎本さん(以下榎本): あのヴィジュアル写真やPOP UP SHOPを通して、特定のイメージではなく、男性でも女性でもマッチする感じに提案をしていただいて、嬉しかったですね。



田代:ブリンクでも取り扱いのあるTHINGLASSも含め、榎本さんは様々なメガネのデザインをされてきましたが、アパレルショップでのPOP UP SHOPでのヴィジュアルなどを拝見しまして、I.ENOMOTOというブランドのフレームのデザインは特に「ニュートラル」と言いますか、はみ出さないような「中立的」「中性的」な印象を改めて強く受けましたね。

自身のブランド、I.ENOMOTOのデザインをする場合に持つ「アイデンティティ」「柱」とは?



榎本:クライアントがいる場合はもちろんそのクライアントの意見を尊重しますし、デザイナーのエゴは出さないようにしています。



榎本;ただ自身のブランドの場合、メガネのデザインは遡ると1600年代頃から続いていて、1980年代から職業としてのメガネデザイナーが出てきて、現在に至る、という歴史の流れの中に自分がいて、日本独特の良質なチタンの素材や高度なマシニングなどの生産背景を元に、今自分がこういうデザインができるという事を理解して、リスペクトして、デザインをしている、という事がI.ENOMOTOにとっては大きな柱になっています。



田代:メガネデザインの長い歴史の中で榎本さんが現在という一地点に存在していて、その偶然性を理解して、形にするという事ですね。



榎本:時代が持つ技術から大きく逸脱することはできませんし、工場は生産ラインがあって、必ずしも全てのアイデアが実現できるとも限りません。多少の技術のストレッチは時に必要ですが、ベストな状態、条件を満たした上でのデザインでなくては、彼ら(工場の人)に喜びを与えられませんし。



田代:榎本さんはイタリアでもデザイナーとしての経験がありますし、その経験によって日本が持っている技術を客観的に見ることができて、有り難みをより感じられるのですかね。

イタリアと日本でデザイナーとしての経験を持つ榎本さん、 ヨーロッパ人と日本人でデザインの仕方に違いは?



榎本:イタリア人はデザインをする時に「美しさ」をテーマにした時に力を大きく発揮しますね。細かいことは置いておいて、それが美しいかどうか、色気があるかどうか、というところをベースにおいてデザインをしていますね。



榎本:日本人はディテールからデザインを始めますね。加工の技術や素材の良さ、手触りの良さ、デザインの細かいスタイルから。



田代:真逆と言っても過言ではないですね。大事にしている価値観が根っこの部分から違うのでしょうね。



榎本:イタリアは派手なデザインのイメージはあるけど、意外と彼らの生活は質素なところがあって、オーガニックで伝統的な部分も大切にしている。逆に日本はどんどん新しい事を受け入れて、変化を恐れる気持ちがイタリア人と比べるとあまりないように感じます。そういう環境の差によってデザインするにしても価値観が全く違ってくるのでしょうね。



田代:メガネのデザインと言っても、デザインの経験だけではなくて、自らの生活環境が影響して、デザインに求める価値観させも変えさせるのですね。

榎本さんが思う「良い物」について



田代:先日ブリンクにお越しいただいて開いた勉強会の時に、榎本さんが「自分のブランドはブランドネームでもデザイナーの知名度でもなく、実際に掛けてみて、『良い!』と感じて欲しい。」と仰ってましたよね。



田代:榎本さんにとっての「良い物」ってどんな条件を満たしている物ですか?

榎本:例えばメガネで言うなら、掛けている時に気づける事、受け取って店を出た後に気づいた事、短時間では分からなくて、買った後に感じられる事が多い物だと思います。



田代:確かに現代って物を選ぶ時に、ブランドの知名度やデザイナーがどんな人かとか「前情報」が多いですよね。情報を簡単に手に入れられる時代だからこそ、その情報に惑わされて、手に取ったり、身に付けた事で感じられる本当の物の良さが純粋なものじゃなくなってる部分もあるかもしれませんね。





タイトルにもある「I.ENOMOTOを通して”伝えたいこと”」の核心については後編で。

アビエイターをベースにフォックス形の要素を加えたハイブリットデザイン。

クラシックなレンズシェイプながら、テンプルのデザインは軽やかなスポーティーさも感じられる。

金属の塊から削ぎ落とされたようなソリッドな印象。

I.ENOMOTO |アイ.エノモト
PRODUCT NAME :IE006
COLOR:GP
PRICE:55,000yen (w/tax)

「視る器械」I.ENOMOTO|アイ.エノモト POP UP SHOP at blinc
期間 2/29(土)~3/8(日)

http://blinc.co.jp/blinc/journal/11411/

I.ENOMOTO
ブランドコンセプト
「視る器械」

眼鏡をそれぞれ機能的な意味を持つパーツの集合体として捉える。
アート、工業デザイン、ファッションデザインと視覚矯正技術の交差点。

デザイナー
榎本 郁也
東京生まれ。
武蔵野美術大学を卒業後、福井県のフレームメーカー CHARMANT inc. でデザイナーとして勤務後独立。
デザインオフィス ONLYGOODFORMS 設立。

シグネチャーブランド I.ENOMOTO|アイ.エノモト を 2017年にスタートしました。

ハイレベルの工学的で機能的なデザインは装用者の快適性を高め長期間の使用に耐えます。
全ての I.ENOMOTOの眼鏡フレームは福井県鯖江市の100年を超える歴史を持つ工場にてハンドメイドで製作されています。

日本で精製された高品質なチタン素材、ミネラルガラスレンズ、それに植物由来のプラスチックであるアセテート素材が使われます。

フレームを彩る高品質高強度なメッキ、IP(PVD)または電着塗装は全てニッケルレス仕様、アレルギーフリーとなっています。



blinc|ブリンク外苑前
〒107-0062 東京都港区南青山2-27-20 植村ビル 1F
南青山3丁目交差点から30メートル,東京メトロ銀座線 外苑前駅 1a 出口より徒歩2分

営業時間 : 12時 〜20時(土日祝日は11時 〜20時)
定休日 : 月曜日 (月曜日が祝日の場合は、営業。翌火曜日が休み)
Tel : 03-5775-7525



POSTED BY blinc AT 7:41 PM

TAGS: I.ENOMOTO, アイ.エノモト