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ROBERT LA ROCHE  ──アイウェアデザインの潮流を舵取りしたデザイナー

ROBERT LA ROCHEについては、これまで数多くの取材記事や資料が残されています。
デザイナー本人の言葉や当時の時代背景、眼鏡業界の変化を伝える証言など、その情報量は決して少なくありません。

それらをいくつか読み進めていく中で、一般的に語られてきたROBERT LA ROCHE像とは、少し異なる側面が見えてきました。
本記事では、既存の評価や言説を否定するのではなく、複数の取材記事や資料を参照しながら、ROBERT LA ROCHEというデザイナーがどのような立ち位置で眼鏡と向き合っていたのかを整理し、解説していきます。

装飾性が強い時代を前提としていたデザイナー

ロバート・ラ・ロッシュ氏が眼鏡業界に関わり始めた当時、眼鏡はすでに大きな変化の只中にありました。素材や製造技術の進化によって、眼鏡は医療器具という枠を超え、造形やファッションとしての可能性を広げていた時代です。

装飾性の高いフレームは、この頃から徐々に一般層にも広まり始めました。それ以前は、文化人や富裕層を中心としたスタイルでしたが、量産や流通の変化によって、デザイン性のある眼鏡がより一層身近な存在になっていきます。眼鏡そのものが主役となる、視覚的に強いデザインも多く生まれました。

ロバート・ラ・ロッシュ氏は、こうした変化を ROBERT LA ROCHE創設前に業界の内側で経験しています。

医療器具とファッションのあいだで

彼が向き合っていたのは、眼鏡がファッションになり得るかどうかではなく、医療器具としての役割と、ファッションアイテムとしての役割をその時代なりにどのように両立させるかという点でした。

極端に薄いフレーム、整理された色使い、長く作り続けられるシェイプ。彼のデザインは、派手さを抑えるというよりも、使われ続けることを前提に調整されたものだったように見えます。

ユニークさの位置づけ

ROBERT LA ROCHEには、視覚的に強い印象を持つユニークなモデルも存在します。そのため、デザイン性や装飾性の高いブランドという印象を持たれることもあります。

ただ、多くのモデルを見ていくと、彼のデザインのベースにはクラシックなテイストがあることが分かります。そのうえで、色やディテールパーツによって、さりげない個性を加えているように、基本を崩さず、どこに変化をつけるかを慎重にコントロールしている点が彼の最大の特徴とも言えます。

ポストモダンという言葉の、その先で

ROBERT LA ROCHEをアイウェアポストモダンとして捉える視点は、今も意味を持っています。ただ、その言葉だけでは、彼のデザイナーとしてのキャリアの核心までは十分に説明できないようにも感じます。

彼のデザインは、強い表現を前面に押し出すものではなく、変化の大きな時代の中で、眼鏡という医療的側面のあるプロダクトを現実的な位置に整えていく作業だったように捉えることもできます。

 ROBERT LA ROCHEをあらためて再考する理由

ROBERT LA ROCHEのアイウェアが現代においても違和感なく掛けられる理由は、当時の流行や時代性に強く依存してこなかったからだと考えます。派手さよりも、眼鏡やサングラスとして長く使われることを前提に設計されている点は、現在の眼鏡の選び方にも自然につながっています。

時代の中で生まれながら、時代を俯瞰してみる感覚や、観察を踏まえたバランス感覚を養っていた。そのバランス感覚こそが、ロバート・ラ・ロッシュ氏というデザイナーの特徴なのではないでしょうか。

 

Text:Junichi Tashiro

 

現在 ROBERT LA ROCHEのヴィンテージ品が多数入荷しております。

是非とも一度手に取って、"ロバート・ラ・ロッシュ"デザインを体感くださいませ。


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