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メイド・イン・ニューヨークの眼鏡を再び LOWERCASEデザイナー、ブライアン・バラリオ来日(前編)

LOWERCASE | ローワーケースは、デザインから製造までの全工程をブルックリンで行う、メイド・イン・ニューヨークのアイウェアブランドです。
今回、デザイナーのブライアン・バラリオが眼鏡工場の視察などを目的に来日したため、東京のブリンク外苑前にも立ち寄っていただき、マネージャーの矢澤がブライアンからブランドのお話を伺いました。

ブライアン: はじめまして。僕はローワーケースの創設者の1人で、デザイナーのブライアンです。皆さん、今日は朝早くから集まってくれてありがとう。

矢澤: こちらこそ朝早くからありがとうございます。早速ですが、ローワーケースはどんな方々がブランドに参画しているのかを教えてください。

(左から)製作を主に担当する、ライアン・ランガー、共同創設者のジェラルド・マシー、共同創立者で、デザイナーのブライアン・バラリオ(今回来日)。

ブライアン: 私以外に3人います。1人はジェラルド・マシー(写真中)。ブランドの共同創立者で、以前は金融業界でアナリストをしていました。彼は子供の頃から集めるのが好きで、アメリカの眼鏡製造業のほとんどが海外に流出してしまったことを知り、彼の出資でこのブランドが立ち上がりました。ライアン・ランガー(写真左)は、製作の工程を主に担当しています。もう1人日本人のPRとマーケティングを担当する女性がいて、全員で4人です。

矢澤: ローワーケースはどのようにしてはじまったのでしょうか。

ブライアン: 私たちは3年前にブランドを設立しました。それまで私はNYで建築の仕事をしていました。私たちはNYにメガネを製作する背景を復活させたいと思っています。1950~70年代はニューヨークにもボシュロム、アメリカンオプティカルなどの、メガネ工場が沢山ありました。今は眼鏡製造業のほとんどが海外に流出してしまっていますが、それを復興させていくことをとてもエキサイティングな事だと思っています。

若いブランドではありますが、失敗を繰り返しながら、高いクオリティを目指しています。
今回の来日では、ブリンクの協力で鯖江の工場をリサーチして、自分たちとは異なる製法、精巧さ、細かい部分へのこだわりに感銘を受けました。

矢澤: アメリカに生産背景がない中で、みなさんは眼鏡作りをどうやって学んだのですか?

ブライアン: YouTubeです。何度も何度も繰り返し見て、製作するのにどんな機械が必要なのかを確認しました。機械を揃える前に、動画を見て、工程を確認しました。それからイタリアに行き、メガネを製作するための機械をリサーチして、買ってきました。機械を購入するタイミングでもイタリアの製作工程を学んで、機械を輸出してもらい、NYに持ってきました。まだ作りながら学んでいるところです。

ローワーケースの工場には、1つのフロアに一貫した製作が可能な設備が揃っています。

矢澤: どこかに何年か修行に行くとかではなく、YouTubeでリサーチされたのは、すごく今らしい学び方ですね…!製造を始めてからも、学んでいく姿勢は素晴らしいです。
次にローワーケースのブランド名の由来を教えていただけますか。

ブライアン: 私たちは、機械を購入する前、自分たちの工場を開設する場所を探している時に、古い工場を見てまわりました。その中でも印刷所を見学して、とても感銘を受けました。
活版印刷を使っていた時代、活字を埋め込む植字台のまわりには、大文字(capital letter)の入ったケースを上段に、小文字(small letter)の入ったケースを下の方に並べていました。それが由来となって、今でも大文字は”UPPERCASE”、小文字は”LOWERCASE”とも呼んでいます。

“UPPERCASE”は「一流の」、「最初の」など物事の中心である意味合いが含まれますが、私たちはもっとクラフト的で控えめなイメージの”LOWERCASE”という名前を選びました。インスピレーションをもらった印刷工場へのオマージュでもあります。

矢澤: ローワーケースの眼鏡は何人で作っているのですか?

ブライアン: 先ほど紹介した中で、自分も入れたPR、マーケティング担当の女性以外の3人で、全ての工程を自分たちの工場で行い、パッキングまで行っています。

矢澤: 3人で!他にもっと従業員の方がいるのかと思っていました。

ブライアン: 3人だけですよ(笑)。でも全員がずっと作っているわけではなく、僕はデザインに集中している時期があったり、セールスをしている時期もあります。今回僕の出張中は、ジェラルドはセールスにまわり、ライアンは製造を続けています。日本に来て、鯖江で得たものがとても多く、本当はしばらくアメリカに帰りたくないですね(笑)。

(後編では、デザインについてのお話を伺います。)



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