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ウィンストン・チャーチル その足跡を追う

多くの偉人を輩出したイギリスにおいて、国民によって投票された「100名の最も偉大な英国人」No.1に選ばれた人物こそ、ウィンストン・チャーチルです。彼については、世界最古の現存する眼鏡ブランドC.W.DIXEY & SON(シー ダブリュー ディキシー アンド サン)の眼鏡を愛用していたことでもご紹介いたしました(以前の記事はこちら)。そして3月30日(金)からは、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』が日本でも公開され、首相就任からダンケルクの戦いまでの激動の4週間を見ることができます。そこで今回は、注目が集まるチャーチルの足跡を追ってみます。

【幼少〜青年期】

本名ウィンストン・レナード・スペンサー・チャーチルは、政治家であるランドルフ・チャーチルの長男として1874年に誕生します。学生時代は、傑出した成績ではなかったものの、詩を書くなど後の作家活動に通ずる才はこの頃から見られたそうです。陸軍士官学校に入学の後、父の死後は同じ政治家の道を志しますが落選。第二次ボーア戦争に従軍するも捕虜となりましたが、脱走に成功。このことが、当時劣勢であったイギリス軍の英雄譚となり、26歳で議員当選する足がかりとなります。以降、若くして商務大臣、さらには歴代2位の若さで内務大臣に就任するなど、30代で頭角を現していくこととなります。

海軍大臣であった1914年、第一次世界大戦が勃発します。指揮をとった「ガリポリの戦い」にて大損害を出し、一度は罷免されるも軍需大臣として再入閣。「戦車」の開発に尽力し「戦車の父」とも呼ばれるようになります。大戦終結後は、「The Word Crisis(世界の危機)」を執筆、印税を手にしたことでケント州にある「チャートウェル邸」を購入します。この邸宅は、C.W.DIXEY & SONの現行モデルの品番名ともなっています。

Gary Oldman stars as Winston Churchill in director Joe Wright’s DARKEST HOUR,

a Focus Features release.

【壮年期】

1939年、ドイツによるポーランド侵攻を皮切りに第二次世界大戦が勃発。ドイツ軍の侵攻によりフランスが降伏。ダンケルクの戦いを経て、チャーチル率いるイギリスでの本土決戦は、眼前まで迫っておりました。「バトル・オブ・ブリテン」と呼ばれた歴史上最大の航空戦は、数で圧倒的に勝るドイツ軍に対し、レーダーを駆使したイギリス軍の防衛力と、ヒトラーの失策によりドイツは撤退を余儀なくされます。緊迫する状況が続く中、チャーチルが愛煙していた葉巻を取り扱っているお店も空襲で被害にあいましたが、首相官邸に「あなたの葉巻は大丈夫です」と一報があったという、彼のキャラクターを垣間見れる逸話も残っています。

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(ctr) Gary Oldman stars as Winston Churchill in director Joe Wright’s DARKEST HOUR,

a Focus Features release.
Credit: Jack English / Focus Features

【晩年期】

1945年、辛くもイギリスは戦争に勝利します。チャーチルは大戦の模様を記した「第二次世界大戦」によりノーベル文学賞を受賞。また、エリザベス女王からは最高位であるガーター勲章を授与されるなど、偉大なる英国人として名を残し、1965年この世を去ります。

「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」では、主演ゲイリー・オールドマンが、今年度アカデミー主演男優賞を獲得。さらにメイクアップ&ヘアスタイリング賞を辻一弘氏が日本人初受賞。チャーチルに見紛うほどの特殊メイクは必見です。また、劇中において使用されている眼鏡は、チャーチルが使用したオリジナルを元に、ゲイリー・オールドマンに合わせてC.W.DIXEY & SONが用意したものであり、その他トレードマークとも言える帽子やボウタイからもリアリティーを存分に楽しむことが出来ます。イギリス好きの方だけでなく、英国紳士の嗜みも味わえるこの作品を、是非ご覧くださいませ。

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
3月30日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
(C) 2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

Text: Yasushi Kato

参考文献

・Barry Singer,『CHURCHILL STYLE』, ABRAMS IMAGE, 2012

・Neil Handley,『CULT EYEWEAR』, MERRELL , 2011

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