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Vol.23_2016.10.25

Ryuji Kamiyama 神山隆二

今回の『Megane GENTS & 美女』 は、ファッション、ライフスタイル、アートと様々な方面で活躍されている神山隆二さんにお話を伺いました。神山さんは19歳からシルクスクリーンによるTシャツの手刷りでご自身の表現をはじめ、今年で活動25周年を迎えます。ファッションブランド「FAMOUZ」、ペットグッズ「FLAVOR.」のデザイナーを経て、現在は既存のモノにシルクスクリーンを施す「ライブシルクスクリーン」や、B品の陶器類の再生プロジェクト「Layer for 3R」の活動で知られています。

しなやかに表現する媒体を変えながら活動されてきた神山さん、共通する「シルクスクリーン」という技法にはどのような思いがあるのでしょうか?

そして、メガネ選びのポイントは…? 

ぜひご覧ください。

 

<聞き手>

神山さんには、1025日(火)~116日(日)のブリンク・ベースでのエキシビジョン『BLING-BLING(ブリンブリン)』でもお世話になります!早速ですが、神山さんにお似合いになるメガネをいくつかお持ちしましたので、試していただきながらお話を伺います。

まずは、こちらはいかがでしょうか?イギリスのLawrence Jenkin Spectacle Maker | ローレンス ジェンキン スペクタクル メーカーというブランドのものです。

以前神山さんがサングラスをかけている写真を拝見したのですが、その時はスクエアのきりっとしたサングラスをかけられていたので、今回はちょっと違うイメージの丸いタイプのものを持ってきてみました。

Lawrence Jenkin Spectacle Maker |  ローレンス ジェンキン スペクタクル メーカー

PRODUCT NAME: Mod.83 Panto(49)

COLOR: Paris Blond

 

 

<聞き手>

神山さんは、サングラスを選ぶ時のこだわりはありますか?

 

<神山さん>

プラスチックフレームはあんまり選ばない。好きなんだけど、疲れちゃうんだよね。

アクセサリーもしないのね。最低限ポケットに入る分だけでいいの。

それ以外は一切つけないし、メガネもしない。

かけてるか、かけてないかのかけ心地がいいものがいいかな。

このサングラスは、わりとかけやすいですね。

 

<聞き手>

はい、お顔への当たり方がぜんぜん違うと思うのですが、日本製のノーズパッドをこちらから送ってつけてもらっています。

 

<神山さん>

そういうことってできるんですね。

 

<聞き手>

普通はできないんですが、Lawrence Jenkin Spectacle Makerについては、もともとディレクターの荒岡がローレンス・ジェンキン氏が引退した後、復帰してもらうようロンドンに何度もお話をしに行って、うちのために製作していただいているので、ノーズパッドもお願いして日本仕様のものをつけてもらっています。

 

<神山さん>

すごいね、お兄ちゃん。やるね(笑)。

 

<聞き手>

ありがとうございます(笑)。神山さんはやっぱりモノの“つくり”も見ていらっしゃるのですね。

ちなみに、神山さんがモノをつくることに目覚められたきっかけはどんなことでしょうか?

 

<神山さん>

何が最初かっていうのはあまり覚えてないけど、幼少のころから絵を描いたり、色彩を見るのが好きだったかな。美術以外はほとんど興味がなかったし。

うち兄貴がいて、年がちょっと離れてるんだよね。僕が小学校の時に兄貴が中学、高校くらい。その時代だと、マルイとか、DCとか全盛のころだったから、家の中に宝島とかAKIRAとかさ、そういうものが転がっていて、そういうものを読み漁ってたんだよね。

 

<聞き手>

小学生で、ですか!かなり早熟ですね。

 

<神山さん>

そうすると、雑誌を見ていると後ろの方にインディーズの音楽(国内外)のレコードジャケットが載ってるじゃない。そのレコジャケがすごく好きで見てて。そこのジャケットのグラフィックとかアートワークとか、すごく気になっちゃって。

まだアナログ、ヴァイナル世代だから、全てレコードでしょ。その当時はレコードレンタル(友&愛/レンタルショップ)があった時代だから、今のTSUTAYAみたいなところに、親と一緒に選びにいって、自分の会員証でレコードを借りるんだけど、ジャケで選んで、持って帰ってそれを家で聞くのがすごく好きでしたね。

 

<聞き手>

ジャケットで選ぶの、楽しいですよね!レコードジャケットのアートワークがグラフィックの世界への目覚めなんですね!

 

<神山さん>

そう。音楽も好きなんだけど、ジャケットのサイズ感。12インチとか7インチとかそのサイズ感の中におさめられたアートの世界、グラフィックの世界がすごい好きになって。それで中3くらいになった時かな。レコードのジャケットにスケートボードを持った人たちが出始めるのよ。これはすごいなって。パンクスがスケートボードを持ってるの。

 

<聞き手>

Suicidal Tendencies(スイサイダル・テンデンシーズ)あたりでしょうか?

 

<神山さん>

そうそう、スイサイダルの1stがちょうど僕らの時代だから。それで中3の時に地元でスケートボードを友達と3人くらいでやってたんだよね。そしたら先輩が「お前らスケートするんだったら、こっちでみんなやってるから」って誘ってもらって、広場に行ったらそこにスケーターがいたんだよね。

パンチパーマとかもいたんだけど、それでスケートボードを真剣にやってたりとか(笑)。

 

<聞き手>

今見たら、ちょっと異様な光景ですね(笑)。

 

<神山さん>

族車で来てるしね(笑)。でも先輩世代はね、やっぱりサーフィンなんだよね。サーフィンからきてるスケートなの。俺らは第2次スケートブームだったから。70年代が第一次で、僕らは第ニ次で80年代。

 

<聞き手>

なるほど、ルーツが違うんですね…。次に、こちらのメガネをお試しいただけますか?

 

こちらはCLAYTON FRANKLIN | クレイトン フランクリンのメガネです。欧米で人気があって、Dover Street Market(ドーバー ストリート マーケット)でも取扱いがあります。

CLAYTON FRANKLIN | クレイトン フランクリン

PRODUCT NAME: 742

COLOR: BR

 

<神山さん>

日本のブランド?軽くてかけやすいですね。

 

<聞き手>

はい、日本のブランドです。よく見ると細部までこだわりのある、メガネを熟知した人でないと作れないデザインです。こちらから拝見した感じ、少しメガネの鼻幅が広いようですが、ノーズパッドを変えてお顔に合わせることもできますよ。

ところでまた話が戻ってしまうのですが、スケーターの先輩方との交流はその後も続くんですか?

 

<神山さん>

そう、そこで一緒にスケートしてた先輩が、パイナップルベティーズ(鵠沼にあるサーフ&スケートチーム)を紹介してくれて、大野薫さんっていう人がそこのボスだったんだけど、後々のFineの編集長。薫さんはほんとにかっこ良かった。伝説の人だね。当時、薫さんが写っている西海岸のビデオに写っているスケーターはバンダナ、ネルシャツに501っていうスタイルだった。ファッションで言ったら僕のルーツかもしれない。それにベティーズには現T-19のボス、大滝くんがいて、ほんとスーパースターだったよね。怖かったけどカッコ良すぎた。HOME BOYZTシャツを着て、どーだ的な感じで僕も滑ってた。

 

<聞き手>

すごい先輩方ですね!

 

<神山さん>

そう、そんな人たちだから、ある日太陽の広場に本物がいるわけ。レコードのジャケットに載っている人たちが来日してるの。そこから全てがつながりはじめて。そうなるともう、勉強しないよね。毎日スケートしかしないんだよね(笑)。

 

<聞き手>

ほんとにそうなっちゃいますね(笑)。その時にはもう絵は描かれていたんですか?

<神山さん>

描いてた描いてた。

未だに僕がスケートボードを放さないのは、スケートがカルチャーだから。若い時は一生懸命やってたから、大会に出たりもしたけど、滑るだけじゃないんだよね、スケートって、当時もスケートボードをカスタムするわけじゃない?ステッカーを貼ったり、デッキテープの貼り方とか、言っちゃえばコラージュみたいなもんなんだよ。その時に吸収して、今でもずーっとそれをやり続けてるんだよね。スケートボードのカルチャーに出会ってないと、たぶん今こういう風にはきっとなっていないと思う。まぁ、どのみちアート的な事をしてたかもしれないけど、たぶん自分の今のスタイルにはならないのかな。

 

<聞き手>

ハードコアな鋲ジャンの人たちも基本カスタムですよね。

 

<神山さん>

そうそう、あれって結構考えるわけよ。やっぱり人とかぶっちゃいけないから。貼り方とかもそうだし。日本のいわゆる不良も制服いじったりさ、それもファッションなわけじゃない。人と違う事をやるわけだから。僕にとって、日本のグラフィックライターの最初は暴走族だし。いきなりばーっと書くわけでしょ。下書きなしで自分たちのチーム名がおさまって、英文と漢字とさ、きれいにやるでしょ。後ろで見てて本当すげーなーって思うわけ。

 

<聞き手>

海外だとヒップホップから出てきたりしますが、日本は確かにそれが最初になるんですね。

 

<神山さん>

僕はそう思ってる。だってあんな書けないよ。もう「すげぇな」と思って見てたの。日本のライターはやっぱり暴走族なわけよ。

 

<聞き手>

その当時スケートをやりながら絵を描いている方は、神山さんくらいでしたか?

 

<神山さん>

いや、全然いっぱいいたよ。

 

<聞き手>

やっぱりレコードジャケットとか、スケートのデッキのグラフィックとかもそうですけど、結構スケートやりながらアートワークされている、たとえばMark Gonzales(マーク・ゴンザレス 以下ゴンズ)とかいるじゃないですか。ストリートのいろんなものを見てアートされる方って多いんですかね?

 

<神山さん>

やっぱり、スケートボードをすること自体が表現なんだよね。だからゴンズもそうだけど、やっぱりそれしかないっていうかね。表現方法をそこで得てしまったので、同じことだよね。

 

<聞き手>

なるほど、表現するものの違いなんですね。

確かにスケートボードってスポーツと少し違いますもんね。普通のスポーツじゃないですもんね。

神山さんがアートワークに感銘を受けた人はいるんですか?

 

<神山さん>

あんまりそういうのはないけど、絵を描いたりしてる人だと、ピカソも好きだし、ダリも好きだし、特殊な表現で、美しいのか美しくないのかなかなか判断しづらい、そういうものが好きかな。学生の時は、図書室に作品集が置いてあるじゃない。そこから作品をコピーして、コラージュして提出したり。

 

<聞き手>

面白いですね!その時からコラージュされていたんですね。

 

<神山さん>

そう、切り貼りがすごく好きだったから。山下清も好きだったの。先生としては扱いづらい部分もあったかもしれないけど。言った課題をやらないんだから(笑)。

 

<聞き手>

表現方法はコラージュから入って、シルクスクリーンを使ったのはいつ頃からですか?

<神山さん>

シルクスクリーンは高校出てからかな。グラフィックデザイナーになろうと思って、事務所に入ったの。そこはリクルート誌をメインにやってる事務所だったんだけど、半年くらいアシスタントでついてたんだけど、先輩が半年で辞めたのね。「辞めたら後は頼むねって」言われて、まるまる1冊雑誌をやることになったの。

 

<聞き手>

え!?入って半年でですか?

 

<神山さん>

そうそう。だからもう、当然家には帰れないし、ほとんど会社で寝てるでしょ。

だから鍛えられたけどね。写真とか印刷物っていうのは、紙にうつしだす作業じゃない。

1年後にあることがあって会社を辞めて。で、ラフォーレ前でスケートしてたの。

そうしたら友達が「紹介したい人いるから来なよ」って大川ひとみさんっていうMilkのデザイナーを紹介してくれて、そこからひとみさんの運転手してたかな。そこで洋服作ってるメンバーとか、知り合うでしょ。そこでジョニオくんとか、まだ文化服装在籍中だったかな。卒業して、ジョニオくんのうちに出入りして、みんなでTシャツを作ったりしてたのね。

そうすると今まで紙に印刷してたものが、布にシルクスクリーンでプリントするようになって、またプリントすることに興味が出てきて、今まであたりまえのように着てたもののしくみが分かってくる。しかも、ひとつひとつ違うのができるわけじゃない。その当時センター※なんてとらないから(笑)。それが面白くなっちゃって。

※布と刷り台の中央のラインを合わせること。

 

<聞き手>

すごいですね!当時Milkは大人気でしたよね!スケートボードが軸になって、縁が拡がることが多いんですね。

次はライブシルクスクリーンをはじめたきっかけを教えていただけますか?

 

<神山さん>

今って、当たり前のようにインターネットで買うじゃない。

2009年くらいかな、昔から取引してたお店の人と一緒にご飯食べてて、地方のお店はお客様に支えられてるんだよね。顧客の顔を浮かべながらバイイングするんだけど、「好きかな」と思って薦めたものをお客様が買わない。それなのに、同じ服を次来た時にお客様が着てる。「それどこで買ったの?」と聞くとネットで買ってる。そのお客様はお店にフィッティングをしに来てたわけですよ。

お店の人は今までの付き合いがあったのに、悲しくなっちゃうよね。何件かそういう話は聞いてたの。何となく売上も落ちてたりとか、だんだんお店が倉庫っぽくなってきちゃって。

やっぱりコミュニケーションって、お店に来て、話して、広がっていくわけじゃない。そこで新しいものを教えてもらったり、ずっとやりとりをするわけじゃない。そういう場のはずなのになんか倉庫っぽくなってきちゃって、「じゃあなんかお店でなんかやろうか」って。ウィンドウの中でペイントでもしててれば、ディスプレイみたいな感じで面白いかもしれないし。

 

<聞き手>

お客様が離れてしまったのを、呼び戻すためだったんですね。

 

<神山さん>

そう、何でもいいんだけど、てっとり早く自分がプリントできるから。あとお店でやってることで、触れられるわけじゃない。それから声がかかれば行って、どんどん広がっていったの。

あと、昔気に入って着ていたものでも、それを着なくなって捨ててしまえばゴミになるわけでしょ。洋服を作る現場に携わっていると、それがゴミになっていくところも見てるけど、それが1発プリントしたことで簡単によみがえるわけじゃない。で、またそれを着られる。

ライブシルクスクリーンでワンプリントしただけで、その人の気持ちが生まれ変わる。

 

<聞き手>

今回ブリンク・ベースのイベントで販売させていただく「Layer for 3R」もそういったところからはじまっているのでしょうか?

 

<神山さん>

そう、なんとなく陶器の方に目が向いて、作家さんに聞いた時に、「B品は当然出る」って。それはどうするのって聞いたら、「お店では仕入れてもらえないから手売りしてる」って、それかアトリエの先でちょこっと販売したりしてたりとか、もしくはくずしてもう一回土に還すとか。じゃあそういう陶器にプリントを入れて、なんかできないのかなっていうところからはじまりました。

感覚としてはステッカーを貼るのと同じ。行き当たりばったり、その時の感覚でやるわけだから。いろんなものを組み合わせてね。

 

<聞き手>

なるほど。最後になりますが、今回の展示の見どころを教えていただけますか?

 

<神山さん>

今回はお客様の前でやるわけじゃないけど、作品製作はライブなので、ライブ感をそこの空間で楽しんでもらえたら。

 

<聞き手>

ライブペイントされる時は、その場の雰囲気で直観で描かれたりするんですか?

 

<神山さん>

基本色の感じは白黒が好きなんで、白と黒の表現の中に入れたい色をなんとなく考えながらカバンにつめて、あとは現場で。どこからスタートするか、スタートによって変わってくるかな。

でもスタート切っても、スタート消す場合もあるけどね(笑)。

スタートを消して、リスタートするのも面白いし。

 

<聞き手>

ライブペイントだと結末というか、終わりを決めるのが難しいと思うんですが。どうされているんですか?

 

<神山さん>

手に持ってるアルコールが切れたら、とか音楽がフェードアウトしていったら、とかね(笑)。

 

<聞き手>

なるほど、じゃあほんとにライブですね!いい意味での成り行き。

 

<神山さん>

もうこの辺で本気でお酒飲もうかなとか、もう疲れちゃったなとか(笑)。しっかり仕上げるっていうことは、何となくしないね。汚さをあえて残すっていうか、肖像画描いてるわけじゃないからね。

「この先まだなんかあるんじゃないかなっていうこと残し」だよね。

出しきっちゃうと、もうゴール目指さなきゃなんなくなっちゃうからね(笑)。

 

<聞き手>

展示の立ち上がりが今から楽しみです!神山さん、本日はありがとうございました!

 

―今回神山さんにお話を伺って、ずっと「続けること」について考えされられました。神山さんはシルクスクリーンという技法を作品に使うだけでなく、パフォーマンスとして拡大することで、活動の幅を広げてこられました。技法は同じでも、アウトプットの形態をずっと変えてこられて、これは25年間、飽きる暇がないですね・・・。1025日からの個展も、沢山のお客様にご覧いただけたら嬉しいです。(高桑)

Ryuji Kamiyama Exhibition BLING-BLING(ブリンブリン)“】

神山さんによるショーウィンドウのペインティング、測定室をギャラリーに見立てた作品展示や、本展限定の商品を販売致します。初日の25日(火)には神山さんのイラストをプリントしたクリーニングクロスを先着20名様にプレゼントします。

※詳細はこの下のリンクから、ブリンク・ベースブログでご紹介していますのでぜひご覧ください!

 

会期:20161025日(火)~116日(日)

※会期中1031日(月)は店休日のため、外からのみご覧いただけます。

会場:ブリンク・ベース

住所:東京都港区北青山3-5-16

営業時間:10:0020:00

Ryuji Kamiyamaスタイリング写真

[ スタイリング ]

アイウェア :
Lawrence Jenkin Spectacle Maker | ローレンス ジェンキン スペクタクル メーカー
Tシャツ :
古着
パンツ :
Monro:
シューズ :
VANS

Ryuji Kamiyama
神山隆二

Artist
シルクスクリーンアーティスト、ペインター、イラストレーター

Ryuji Kamiyama
http://ryujikamiyama.com/
Ryuji Kamiyama Exhibition”BLING-BLING”
http://blinc.co.jp/blincvase/archives/4673

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