レンズのはなし no.2 「遠くまでよく見えるサングラス」
メガネ店勤務歴20年。これまでにざっと13,000人以上のお客様の視力測定を担当した経験のあるblinc vaseスタッフの当間が、ちょっと専門的なメガネとレンズの話をしていきます。Issue no.2は、度付きサングラスのレンズについて。
当間の今日のひとこと
「サングラスなのによく見えるって、最高ですよ」
サングラスのレンズは、度付きレンズに替えられるということ、ご存知ですか? え?ご存知ない? やはり……そうでしたか。意外と知らない方が多いのですが、度付きサングラスの便利さといったら! 普段メガネをかける時間が多くなると、サングラスに掛け替えるのが面倒になりませんか? 度が強い方は、サングラスに掛け替えるのにコンタクトレンズが必要になるというのもわずらわしいですよね。そんな方は、度付きサングラスを一本もっておくといいかもしれません。
最近は、デスクワークや近くを見ることが多いために、度数の低いメガネを希望される方をよく接客します。目の負担を考えるとその選択もありますし、測定の際にも、お客様ができるだけ快適に過ごせる度数を提案しています。ところが! 度付きサングラスの場合は、話が別です。サングラスは外で使うもの、そして、遠くを見ることが多いものなので、いつもより強めの度数をおすすめすることが多いです。
私が、度数を処方するときに気をつけているポイントは、はっきり見えるけれども、決してきつく感じるようなことのない度数を探ることです。
度数は、さまざまな側面から検査をして、その都度、お客様の見え方を細かくチェックしていくことが必要です。感じ方は人それぞれなので、その言葉に注意深く耳を傾けながら、サングラスにする際に最適な度数をおすすめします。
視力がわかったら、次は、レンズの選定です。
※写真はイメージです。
度付のサングラスレンズは、度付の透明なレンズを希望の色を見本に染色して作ります。もともと度付きレンズはよく見えるように表面の反射をおさえている(反射防止コートがついている)ため、レンズの透明度が高くなり、レンズの外側からみて瞳が見えやすくなっています。同じサングラスのレンズでも、度なしレンズは反射防止コートがついていない分、瞳が見えにくいのが特徴。サングラスの奥に瞳が見えるというのは、あんまりかっこよくないと考えるお客様は、けっこういらっしゃるので、リアマルチコートレンズをお勧めしています。
リアマルチコートレンズは、レンズの表面を反射させてしまうことで、度付レンズでも瞳が見えにくいようになっています。度付きでも、サングラスらしい見え方になるのでおすすめです。
運転などでサングラスを必要としている方は、おしゃれ度よりも、よりクリアな視界を優先したいかもしれません。そんな方には、偏光レンズをおすすめしています。偏光レンズは、よりクリアな視界を約束してくれるんです。写真の右側は、偏光レンズをカメラのレンズの前にかぶせて撮影したものです。左と比べると、水面で反射している光が軽減されて、水の底が見えやすくなっているのが分かると思います。偏光レンズは、釣りやゴルフの時などにもおすすめです。
余談ですが、家に使っていないメガネがある方。これを機会に、レンズを入れ替えて度付きサングラスにしてみませんか?ブリンク・ベースでお求めのメガネなら、後からレンズをカラーレンズに入れ替えることもできます。この春夏におすすめのカラーも用意していますので、ぜひ店頭でご相談ください。
Text&Edit: Saiko Ena
Photo: Kota Takakuwa