歴史に裏打ちされた上質な眼鏡、SAVILE ROW|サヴィル ロウ
自社ブランド、サヴィルロウを作っている工場、アルガワークスは、1932年に創業しました。アルガワークスの場所は今も変らず、ロンドンの東部の「BOW(ボウ)」と呼ばれる下町のエリアにあります。
「BOW」は、昔から工場が多く立ち並ぶ多くの職人たちが働いているエリアです。いわば、ロンドンの物づくりの拠点の一つでもあります。サヴィルロウというと、メタル眼鏡やセル巻眼鏡のイメージが強いのですが、最近ではアセテート(プラスチック)とメタルテンプルのコンビネーションの眼鏡のコレクションを始めたのも記憶に新しいと思います。
サヴィルロウの工場、アルガワークスでは、かつてはアセテート(プラスチック)の眼鏡の製造は、行われていました。しかしイギリスでは、サヴィルロウやローレンス・ジェンキン・スペクタクル・メーカーのようなブランドが、アセテートの眼鏡の製造を再開するつい最近までは、ほとんど行われておりませんでした。その為、イギリスの眼鏡のブランドはいくつもありますが、アセテートの眼鏡で「MADE IN U.K.」のものを見ることは珍しかったのです。
サヴィルロウのアセテートで一番特筆するのは、その製法です。まず、メタルのテンプルには、80年以上も変らない伝統的な製法で、三層に巻いた金属の棒を細く引き伸ばして作るロールド・ゴールドを使用しております。それにより、ヴィンテージのような風合いと柔らかい独特の掛け心地を感じとることが出来ます。メタル素材のテンプルなのに厳密な直線とは言えないラインに温かみを感じます。他のブランドで、いまだに昔のロールド・ゴールドのメタルを使っているとはほとんど聞いたことはありません。
SAVILE ROW|サヴィル ロウ
PRODUCT NAME : PARKER
COLOR:TORTOISE
PRICE: 43,200yen (w/tax)
フロントのアセテートは、いわゆるイギリスの60年代のクラシックにあるような肉厚の重厚感のある感じとも違います。リムの太さは、程よくクラシックの流れは継承しつつも、今の時代感に合って上品な仕上がりになっています。中でもこのモデル、クアドラ型(ウエリントン)のPARKERは、横幅と縦幅のバランスは絶妙です。ここ数年、丸いパント型(ボストン)が人気でしたが、最近は四角いデザインの眼鏡に新鮮な魅力を感じます。
歴史に裏打ちされた上質な眼鏡は、様々なスタイリングに取り入れたとしても、不思議と違った似合い方を見せてくれます。ぜひ、お気軽にお越しいただき、実際にお試しください。
Photo: Kota Takakuwa
Text: Toshiyuki Araoka