SAVILE ROW|サヴィル ロウ 2015年は、イギリス。-後編-
01.02.2015
昨日に引き続き、仕入れを担当している荒岡です。
今季オススメするもう1つのイギリスのブランドは、ジョン・レノンが掛け、メタルフレームで有名な「サヴィル ロウ」。
うちの店で「サヴィル ロウ」を取り扱い始めたのは、今から3年前のこと。
考えてみれば、この眼鏡がイギリスの保険制度NHSから、80年代まで数十年にも渡り、国民に無償で配られていたとはスゴイことです。
同じデザインの眼鏡を数十年にも渡り、多くのイギリス国民が掛けていること自体が、もう既にオカシイです。個性が、重要視される現代では考えられない話です。言ってしまえば、「眼鏡史上で最も多くの人々に愛用された眼鏡」です。
これを単なるトレンドと片付けてしまうには忍びない。
もはや、イギリスのスタイルです。流行に左右されずに、掛けてもらいたい「永遠のスタンダード」の眼鏡です。
その「サヴィル ロウ」から、正面の部分をメタルではなくアセテートにしたコレクションが先日発売されました。
出来上がったアセテートのデザインを見ると分かりますが、イギリス眼鏡の特徴でもある無骨な感じが全くしません。その意外性に惹かれ、「サヴィル ロウ」の眼鏡を新調しました。
伝統の線の細いメタルのテンプル(ツル)にアセテート部分を取り付けただけのデザイン。どちらかと言えば、前に重心が重く、見た目のバランスは悪いのです。ただ、この「バランスの悪さ」が、しだいに魅力的に映り、グッと気持ちを奪われます。
置いた時、掛けた時、やっぱりこのバランスが正解でした。
サヴィル ロウが、アセテートのフレームを作るのであれば、みんなの期待がある以上、普通のデザインという訳にもいきません。
サヴィル ロウらしさを、十分にしっかりと打ち出した眼鏡なのです。
これをサヴィル ロウが作る、「新しいスタンダード」と呼んでも良いのではないでしょうか?