意外と顔になじみ易いオススメの「クラウン パント」
ご存知の方も多いと思いますが、ボストン型と呼ばれる「丸み」が特徴の眼鏡のデザインは、ヨーロッパでは「パント」と呼ばれています。この「パント」にも、いくつか種類があり、中でも40年代から50年代にフランスで人気だったと言われる「クラウン パント」に注目してみました。
全体的に丸みがあるのが「パント」ですが、「クラウン パント」はフレームの上の部分が、真っ直ぐな直線的なラインを描きます。丸みのある眼鏡の上の部分を「スパっ」と切ったようなデザインになり、全体的に重心が下に落ちたように見えるのが特徴。独特の個性的なデザインなので、基本的に掛けると強い印象を与えます。
しかし、この伝統的なデザインの「クラウン パント」を、最近いろいろなブランドが、それぞれの解釈で作っているのが、面白いのです。独特の「クラウン パント」の個性的なデザインを基調にして、ラインを優しくしたデザインを目にします。
今回ご紹介するモデルは、男性に似合うデザインなのはもちろんですが、女性がかけても意外と顔に不思議と馴染むのです。むしろ、女性にも掛けていただきたい眼鏡です。
ayame|アヤメ
PRODUCT NAME: SPIKE
COLOR: BLK
PRICE: ¥32,400- (w/tax)
ここ数年のayame(アヤメ)の人気はとても高く、日本のトップブランドの1つにまで登りつめました。その一因として、勝手な僕の意見ですが、細部までの「気遣い」に尽きると思います。一見すると「無骨」に見えてしまう「クラウン パント」を、フロントフレームの両端に“丸み”をもたすことにより、「優しい」印象をグッと与えます。こういう「気遣い」が、女性にも好まれるのだろうと思います。
Preciosa|プレシオーサ
PRODUCT NAME: 758
COLOR: 019
PRICE: ¥29,160- (w/tax)
眼鏡のブランドでは珍しいオランダのブランド、Preciosa(プレシオーサ)は、「クラウン パント」の「無骨さ」をほどよく表現しています。全体的に小さめなサイズ感も新鮮です。不思議とデザインの強さを感じさせないのは、レンズのデザインに秘密があります。フレームの外側のラインは、上のほうが直線的ですが、レンズのラインは「角」がなく「丸み」だけです。フレームの外側のデザインとレンズのデザインが、全く異なっているところが面白いです。
OG×OLIVER GOLDSMITH|オージー・バイ・オリバー・ゴールドスミス
PRODUCT NAME: Editor
COLOR: 014-2
PRICE: ¥35,640- (w/tax)
OG×OLIVER GOLDSMITH(オージー・バイ・オリバー・ゴールドスミス)は、素材がメタルなのにも関わらず、プラスチックのような厚く重厚感があります。繊細な印象を与えるメタルフレームのはずが、リムの厚みで「クラウン パント」の無骨さを上手く表現しています。しかも、上の直線的なラインの部分にカラーを入れることで、コントラストの効いたアクセントになります。実は、このモデルも嘘だろうと思うくらいに女性にも人気がありのです。
そのままだと個性的に強くみえてしまう「クラウン パント」ですが、それぞれのブランドで新解釈した「クラウン パント」であれば、顔にも不思議と馴染んでくるものです。ぜひ、この3ブランドを掛け比べてみてはいかがでしょうか?
Photo: Kota Takakuwa
Text: Toshiyuki Araoka