対談 | Barbour 崎野将吾さん × blinc 矢澤直人(後編)

INTERVIEWLawrence Jenkin Spectacle MakerSAVILE ROW

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ブリンク男性スタッフが、こだわりの商品を取り扱う目利きを訪ねて対談していく新連載。バブアーの崎野将吾さんとのお話は、メイドインUKにこだわり続けるイギリスブランドの魅力へと発展して……。

 

崎野:サヴィル ロウのショールームは、テーラーが集まるロンドンの通り“サヴィル・ロウ”にあるんですか?

矢澤:いや、それが、ないんです、笑。ここにあるサンプルのように、つるの種類が選べたり、フレームをセル巻きにしたり、つや消しにしたり、鼻幅を合わせたりというその人にあったものを仕立てられるセミオーダーのビスポーク眼鏡というコンセプトなので、“あつらえる”という意味でサヴィル ロウという名前がついたんです。実際、カスタムオーダーができるというところに興味を持ってくれるお客様が多いです。あとは、ジョン・レノンが掛けていたというのも、人気の理由のひとつです。

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崎野:そうなんですか。ジョン・レノンが掛けた眼鏡というと、白山眼鏡が有名ですよね。

矢澤:彼は何十本も丸眼鏡を持っていましたが、丸眼鏡をかけるきっかけになったのが、サヴィル ロウだと言われているんです。『ジョン・レノンの僕の戦争』という映画で、兵士の役を与えられた時に役作りのためにサヴィル ロウを掛けたのがきっかけらしいですよ。

崎野:若い頃は、レイバンのようなサングラスを掛けているイメージですね。

矢澤:サヴィル ロウは3~4本持っていたみたいです。余談ですが、白山眼鏡は、殺される直前に来日した時に滞在していたホテルに白山眼鏡の白山さんが外商に訪れ購入したものと言われています。メイフェアというモデルを3本色違いで買って帰国し、そのうちの1本を掛けたときにあの事件が起きた。それで「血染めのメイフェア」なんて言われているんです。

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SAVILE ROW|サヴィル ロウ
PRODUCT NAME: NORFOLK
COLOR: Blonde/GS
PRICE: 43,200 yen (w /tax)

矢澤:これは、サヴィル ロウから新しく出たシリーズで、フロントがアセテートでサイドがメタルです。

崎野:いまはべっ甲は、ないですか?

矢澤:ないですね。でも、かつて18Kなどのゴールドは使っていた事があったみたいで、その時に購入したものを持って来店するお客様もいらっしゃいますよ。ゴールドはもうやっていないんですが、同じ形が欲しいというリクエストには答えられると思います。当時のデットストックを手に入れたのだと思いますが、ずっと愛用している方は、それこそ正統派。いまでも、メイドインUKというところにひかれてお店に来てくれます。

崎野:いいですね。メイドインUK。

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矢澤:ところで、バブアーのものづくりに変遷はありますか?

崎野:1890年代から同じ生地です。イギリス国内のファブリックメーカーから、エジプトの最高級綿を仕入れ昔から同じ製法で作っています。色味や内側のタータン柄は時代によって多少バリエーションが違いますね。バブアーは、メンテナンスのシステムが整っているのも自慢です。お客様からお預かりしたらドライクリーニングをしてオイルを落とし生地から綺麗にします。その後、再度丁寧にオイルを縫っていく。着れば着るほどメンテナンスでより味が出るんです。20〜30年は、着られますよ。

矢澤:サヴィル ロウも長く使っていると、パットがとれたり、セル巻きがはがれたりするんです。お店に持ってきていただけば、メンテナンスが可能です。サヴィル ロウの工場も、80年前からずっと製法を変えていないんです。機械に頼る工場が増える中、サヴィル ロウは140の制作工程を職人がほぼ手作業でやっています。一部機械は入っていますが、人の手を必要とする単純構造の機械です。最後の仕上げは、機械でやったほうが均一で綺麗なはずなんですけど、そこもあえて職人がやり続けている、それが眼鏡の味となっているんですね。ここでしか出せないものですよね。

崎野:純粋なメイドインUKは、いま本当に貴重ですよ。バブアーのオイルドジャケットは一部はイングランド以外のファクトリーも使いますが、基本的には“メイドインイングランド”を貫き通しています。特定のスタイルは未だに本社サウスシールズの工場で手作業です。そういう精神も一緒ですね。

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矢澤:イギリスで作っている眼鏡の工場は、サヴィルロウの工房であるアルガワークスとローレンス ジェンキン スペクタクルメーカーをはじめ、わずか数カ所だけになりました。イタリア、フランス、日本の眼鏡産業が発展して、その他のイギリスブランドの生産は、ほとんどその三国で行われています。オリバーゴールドスミスもカトラー アンド グロスも、そうですね。

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Lawrence Jenkin Spectacle Maker | ローレンス ジェンキン スペクタクル メーカー
PRODUCT NAME: Panto
COLOR: Havana shell
PRICE: 45,360yen (w /tax)

崎野:今日は、そうしたイギリスの眼鏡ばかりを持ってきてくれたんですよね。ローレンス ジェンキン スペクタクル メーカーもいいですね。

矢澤:イギリスの伝統的な眼鏡作りを、いまでもやっているブランドなんですよ。

崎野:僕は、カトラー アンド グロスが好きでいくつか持っています。本当にかっこいいですよね。

矢澤:カトラー アンド グロスは、それまで視力矯正のためにだけに存在した眼鏡にファッション性を取り入れたことで知られています。眼鏡にも、色気やセクシーさ、わくわく感が欲しいということでスタートしました。

崎野:ヴィンテージもかっこいいですよね。

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右)CUTLER AND GROSS VINTAGE | カトラー アンド グロス ヴィンテージ
PRODUCT NAME: 0368
COLOR: MG-DGN
PRICE: 45,360 yen (w /tax)

左)CUTLER AND GROSS VINTAGE | カトラー アンド グロス ヴィンテージ
PRODUCT NAME: 0306
COLOR: MB
PRICE: 47,520 yen (w /tax)

矢野:さすが、崎野さん。これはカトラー アンド グロス ヴィンテージ。80年代のデッドストックで、ほぼ一点ずつですが定期的に入荷します。よかったらまたぜひ。バブアーに合わせて、眼鏡を選ぶこともありますか?

崎野:クラシックな眼鏡を合わせることが多いですね。バブアーは、スーツに着てもらいたいと思っているんです。トレンチコートだと決まりすぎるのでバブアーでカジュアル感をプラスしてはずす。本国では、ライフスタイルスポーチウェアを自称しているくらい実用的なものということもあり、カジュアルに崩したい。いまの時代の気分に合っていると思います。
アウトドアブランドは、超ハイテクファブリックを発表し、バブアーは昔ながらのハイテク素材を使い続ける。どちらのアプローチも目指すところは、同じなんですよね。スタンダードとなった本物を取り入れて、双方のアプローチでライフスタイルを作って行く時代なんじゃないでしょうか。

矢澤:今日はありがとうございました。
崎野:ありがとうございました。

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バブアー 渋谷店
MENS / LADIES
東京都渋谷区神宮前6-17-15 |tel 03-6450-5993
OPENING HOURS: 11:00 – 20:00 (不定休)
www.japan.barbour.com

 

Photos:Toru Kometani Text&Edit:Saiko Ena

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